駅から散歩・JR総武線新検見川駅 - YouTube(00:30あたりから01:00ころまで)
なぜ、土中の粒が古代ハスの実だと分かった?
東大グラウンドから花見川区役所へ入る交差点のところに中央に記念碑の立ったハス池があります。ハス池は柵で囲われていて中には入れないのですが、「大賀ハス発祥の地」という看板があり、記念碑の碑文が紹介されています。
あらら、何を間違えたのか看板にボカシが入っています。こちらの紹介記事にある写真だと池の様子が良くわかりますね。こんな感じの池です。
「大賀ハス発祥の地」
1951年3月30日 前方300mの地点で 古代ハスの実が一粒大賀一郎博士によって発
掘された。2000年以上地下に眠っていたハスの実は その年の5月発芽し翌年7月18日
淡紅色の 美しい花を開いた。この大賀ハスは世界の各地に移植されて生命 の神秘を
開示している。
大賀ハス発掘碑建設委員会
1964年7月18日
「前方300mの地点」というのはこの池が広い東大グラウンドの一角にあることから、前方のグラウンドで発見されたようです。
この碑文を見て最初に思ったのが「たった一粒のハスの実がどうやって発掘されたのか?」という疑問です。
ハスの実の実物は見たことがないのですが、「そろそろ、ハスの実が食べ頃ですよ」を見ますと大豆くらいの大きさなのでしょうか。それが何かの作業中に土の中に一粒あったとして、果たしてハスの実だと分かるものなのでしょうか、いやハスの実だとは分からなくても貴重な何かの種子だと分かるのでしょうか?
そんなの無理でしょ!?
古代ハスの実があるのを知らないはず
もう少し詳しい情報がこちら「大賀ハス 経緯・移動のあらすじ」にあります。
- 東京大学農学部厚生農場(今の東大グラウンド)内の泥炭層から見つかった。
- 大賀博士宅でで発芽処理。
- 生長根も見つかった。この蓮根が地元の伊原茂氏に栽培委託され、開花した。
これでも、私の「何故一粒の古代ハスの実を発見することが出来たのか?」と言う疑問は消えません。この広大な東京大学農学部厚生農場には貴重な古代ハスの実があるはずだからなんとしてでも探し出せ! そんな使命なんてあるはずもなく、こんなハスの実があるとは誰も予想しなかったはずだからです。
答えはウィキペディアにありました
その答えを見つけたのが 2013/04/08 04:28 。そのときにブックマークし、コメントを書いています。
近所に「大賀ハス発祥の地」という記念碑の立った一角がある。その碑文には前方300メートルから発見された2000年前の一粒のハス種を発芽させたとあるが、どうやって2000年前と特定したんだ? 証拠はあるのか? あった。 / “大賀ハ…” http://t.co/GENe6ncWCV
— sirocco (@sirocco_jp) 2013, 4月 7
大賀ハス - Wikipedia の記事からポイントを拾ってみます。
- 燃料不足だった戦時中に草炭を採掘していたたら、たまたま1隻の丸木舟と6本の櫂が出てくる。で、調査が始められて、さらに丸木舟が2隻とハスの果托も見つかる。「縄文時代の船だまり」と推測され落合遺跡と呼ばれる。
この遺跡から古代というキーワードが出てきたんですね。
ちなみに、「ハスの果托」が何か分からなかったので検索してみると、ハスの花が咲いた後に残って大きくなるジョウロの水が出るところのような形をしたところです。
ハスの果托が発見されたから、ハスの実があるはずだと大捜索をする訳ですね。そして花園中学校の女子生徒がハスの実を見つける。2粒は発芽に失敗しますが、翌年に開花。放射性炭素年代測定によって2000年前の弥生時代以前のものと分かる訳です。
めでたし、めでたし。
古代遺跡から「ハスの果托」が見つかったからハスの実を探した。それが最後に分かって推理小説の謎解きのような気分でした。
一日だけの花園ハス祭り
ハス池の前が「 大賀ハス通り」。そして、その前が今は名前が変わったのですが、旧 ・東京大学緑地植物実験所です。実験所では 大賀ハスが咲く頃に「花園ハス祭り」が行われ、東京大学緑地植物実験所の中が公開されます。(ハス祭りが毎年あるのは知っていたのですが、そときは旧 ・東京大学緑地植物実験所に入れるというのは知りませんでした。去年のハス祭りとき、ツイッターで呟いているのを見て知りました)
花園ハスまつり 観蓮会2013 (1) 旧東大緑地植物実験地にて - YouTube
今では大賀ハスの子孫は増えて、全国の池にあります。是非、発祥の地を見にきてください。