シロッコ手習鑑

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シロッコ手習鑑

高卒シニアなのに臨床心理士になりたいと思い立って放送大学生になりました。

金融危機で経済がわかる・池上彰「45分でわかる! 14歳からの世界金融危機」

本の紹介
45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)

45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)

 

経済に興味をもった理由

イオンゴールドカードが使えなくなったことからイオンラウンジが利用できなり、それではイオンの株を買ってみようか考えたのが株に興味を持ったのが始まりです。

それから、勝間和代さんの「お金は銀行に預けるな 金銭リテラシーの基本と実践」を読んで、「そのとおりだ。初心者が単独の株を買うのは一番失敗するケース。卵をひとつの籠にもらないでリスクを分散して、長期に毎月積み立てて価格変動を吸収すれば経済成長のメリットを受けられるはずだ」と考えるようになり、インデックス投資を始めました。

経済とは何か?「社会生活を営むための財やサービスを交換するしくみのこと」だそうです(金融大学の金融用語辞典)。自分が「生産」したものを他の人たちと交換して「消費」する仕組みそれが経済なのですね。その交換に使われるのがお金。私たちは経済の中にどっぷりと浸かっているのですが、分からないことだらけなのです。

素人投資家は株価暴落のときがチャンス

インデックス投資というのは、市場を表す指標と同じくなるように取得割合を計算して機械的に債券や株に投資する手法です。イメージとしては市場の株を全部買うようなものですね。相場は変動しますが、長期的に毎月積み立てれば相場の変動は吸収されて、経済成長とともに利益が出るはずなのです。

しかし、一番怖いのは積立が終ってからリーマンショックのような株価暴落が来ること。価値が半減してしまいます。

逆に、株価暴落が早い時期に来れば、インデックス投信積立という手法にとってまたとないチャンスになります。「臆病者のための億万長者入門」の中で橘玲さんは「素人は株価暴落のときがチャンスだ」と言っています。

それなら、株価暴落で資産を失わないためにも、素人が投資で成功するためにも、株価暴落、金融機関、恐慌を学んでみよう、そう考えてこの本を読み始めたのでした。

危機は教材にぴったり

読んで気が付いたのは、普通の状態では経済の動きは分かりにくいけれども、金融危機という特殊な状況になると経済の仕組みが分かりやすいということです。

この本には、リーマンショックが起きたのは何故か、それにはどんな連鎖が起きたのか、 が書かれています。今まで気にすることなかった石油や株などへの巨大なお金の流れ。その意図や動きが理解できるように説明されています。

これは原発事故が起きて、前より原発に詳しくなったのと似ています。原発事故が起きる前、私は原子力発電についての知識はほとんどありませんでした。「放射能は人体に害があるから、事故で原発が壊れて漏れればと大変だ」、このくらいの知識です。ところが、事故後は、「停止しただけでは駄目。冷却を続けなければならない。使用済の燃料もプールで冷やしている」と色んなことを知ったのです。

普段の生活で必要なもの、例えば水が供給不足になれば、今まで見えなかった、水が重要である理由、供給する仕組みなどが見えてくると思います。危機は教材にぴったりなのですね。

リーマンショックはなぜ起こったのか

この本には2009年に書かれた本です。リーマンショックの原因と言われるサブプライムローン問題が発生し、ひどい金融危機が世界を覆っていたときです。

さて、そのサブプライムローンとはどんなローンだったのでしょう。それは普通の住宅ローン審査では通らないような人向けのローンです。wikipediaを見ると日本ではローンが借りられないような人もローンの対象になっていたのですね。ですから、金利は高めに設定されていました。融資する側から見ればハイリスク・ハイリターンです。

【サブプライムローン】

  • 所得に対する借り入れが50パーセント以上
  • 過去1年間に30日間の延滞が2回以上
  • 過去5年以内に破産した人

ここまでは当たり前の話。しかし、日本の住宅ローンと違って、サブプライムローンはローンが返せなくても、担保としての家を失って終りなのだそうです。ですから、借りやすかったのですね。

それを支えていたのが住宅バブル。ローンを借りて住宅を買って転売すると、買った値段より高く売れたのです。だから、担保の家を取り上げれば残りのローンは払わなくてもよいという契約だったのですね。

住宅会社のローンは投資銀行に売られます。投資銀行はリスクを分散するために他の証券と組み合わせて証券にします。それに保険をつけて格付け会社に格付けしてもらいます。

これで、ハイリスク・ハイリターンだったはずの証券への投資がローリスクに変ってしまったのです。

そしてバブルがはじけました。すると、ローンを返せない人が続出します。このときに金融機関、政府、ファンドがいろいろと係わり、どのような動きをしたのか。それを池上彰さんが分かりやすく解説したのがこの本なのです。

景気の良い、悪いと信用創造

この本の16ページに数行ですが「信用創造」という言葉が出てきます。

信用創造wikipedia で調べると分かりやすい説明がありました。

  • A銀行は、X社から預金1000円を預かる。
  • A銀行は、1000円のうち900円をY社に貸し出す。
  • Y社は、Z社に対して、900円の支払いをする。
  • Z社は、900円をB銀行に預ける。

すると、1000円の現金は預金総額が1900円になります。景気が良いときには信用創造で預金通貨が膨らみます。逆に、景気が悪くなると預金通貨が減少するのですね。「金融大学・金融用語辞典」にもわかりやすい説明があります。

経済の入門におススメ

タイトルで「45分でわかる!」「14歳からの」と言っていますし、95ページの薄い本。それも分かりやすさでは定評のある池上彰さんの本です。経済とは何なのか、経済入門によい本だと思います。