シロッコ手習鑑

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シロッコ手習鑑

高卒シニアなのに臨床心理士になりたいと思い立って放送大学生になりました。

円安はいつまで続くのだろう? 『「通貨」を知れば世界が読める』

本の紹介 投資
「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

 

にわか投資家は為替相場が気になる

インデックス投資信託の積立を始めたのが今年の2月。債権の変動はほとんどありませんが、国内の株式は値上がりを続けておりますし、外国株式インデックス、新興国株式も値上がりを続けています。

単純に考えれば値上がりをしている訳ですから嬉しいのですが、私が目標にしているのは5年後、10年後、今はなるべく安く積み立てて、5年後、10年後には値上がりしていいて欲しいのです。

現在の国内株式が高い原因は何でしょう? 

東京証券取引所には「5頭のクジラ」がいて買いまくっているという話があります。それと円安。円が安ければ海外からは日本の全ての物が安く見えます。

外国人の持ち株比率は増えていますし、売買比率も2014年1月で67%と増えていますから、円安は国内株式が高くなる原因のひとつだと思います。

外国に保有している資産は円安になれば値上がりしたように見えます。今まで1ドルを両替するのに80円だせば良かったのが120円。ドルで保有していた資産を処分して円に交換すれば、資産の評価は変化がなくても1.5倍の日本円を受け取るようになるのです。

では、逆に円高になれば私が困ります。円高になるなら早くなって、5年後、10年後には円安になっていて欲しい。そう旨く話が進むはずはありませんが、為替相場に無知では困る。そんなことから「通貨」について、初歩的だと思われる本を探して読みだしました。

この本にした決め手は評価は分かれていますが、マゾンのレビューが50件と多かったことです。

著者の浜矩子(はまのりこ)さんはどんな人?

私はツイッターインデックス投資に関する情報を発信している人を何人かフォローしています。「浜矩子 株」のようなキーワードでツイッターを検索すると、弱気な発言をしているので、そのことに対するコメントが多いですね。

 以下のような大量の本が捨てられていたというブログもありましたが、定期的に本を処分する人はいますし、浜矩子さんの本が大量に捨てられていたということは、大量に購入されていたということで、逆に勲章なのかもしれません。

randomwalker.blog19.fc2.com

浜矩子さん、ウィキペディアを見ると三菱総合研究所に入社して、ロンドン勤務しているんですね。『「通貨」を知れば世界が読める』の中には「シティ」と呼ばれる金融街のこと、ポンドの歴史など「パクス・ブリタニカ」と呼ばれたイギリス最盛期の話が出てくるのですが、だから詳しいのだと納得です。(「パクス・アメリカーナ」の話も出来てますけれども)

浜矩子さんの本を読みたいと考えていたので、以下の2冊の新書が積ん読になっています。

「通貨」はこれからどうなるのか (PHPビジネス新書)

「通貨」はこれからどうなるのか (PHPビジネス新書)

 

 

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)

 

円安はいつまで続くのか

今は1ドル120円以上の円安。いつまで円安が続くのか、そもそも、なぜ、為替相場は変動するのか、変動する要素は何なのか知りたいというのがこの本を読もうと思ったきっかけです。この本のサブタイトルが「”1ドル50円時代”は何をもたらすのか?」。私の知りたいことが書いてあると思ったのです。

”1ドル50円時代”になるのか、ならないのか。なるとしたら何故か? この本が書かれたのが2011年、東日本大震災の直後、円は80円を割りはじめた時代です。

50円になる根拠を浜矩子さんは、ドルが弱体化している、円は東日本大震災があったにもかかわらず強いと根拠述べています。 結果的には、この本が書かれた直後に相場は円安に向かい、今は125円までいきました。

通貨を取り巻く環境、歴史について解説されていますけれども、相場についてはあまり解説されていませんでした。

どんな人が為替相場で両替するのか

そこで、素人が「初歩の初歩」を考えてみます。

円からドルへ交換したい人、ドルから円へ交換したい人は図のようにいろいろあると思います。

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それから、相場が変動しそうな要因を書いてみます。(素人考えなので調べてあとで書き足すかも)

  • 金利の変動 日本の金利が高くなると、「日本の金利が低いから銀行から借りて、金利の高い海外に投資しよう」(円キャリートレード)というのは成立しなくなります。
  • インフレ 1台100万円していた日本の車がインフレで同じ200万円になったとします。全ての物が倍になったなら、今までと同じレートでは相場が成立しなくなります。インフレで物価が倍になったときはレートも倍になれば同じ価値ですね。
  • 生産性の向上 日本の車を生産する技術が向上して、100万円の車が50万円で生産できるようになったとします。すると、日本の円の価値は高くなるはずです。
  • 国の信用 日本の経済がボロボロで破綻目前だとします。銀行が倒産するかも知れません。北朝鮮が攻めてきて、日本はなくなるかもしれません。そんなときは円は安くなるはずです。

それと、相場ですから、為替相場は上がったり下がったりするのですね。「過去の外国為替市場を振り返ると、通貨の価値が16年周期で大きく変動するケースが目立ちます」という話があります。円ドル相場で史上最高値になったのが、1995年と、16年後の2011年。だとすると、次は2027年ですね

下の「USドル/円の為替レートの推移」のグラフを見るとあと2、3年すれば円高に向かっても良さそうですが・・・さて、どうでしょう?

 

単一通貨と共通通貨、優れているのはどっち?

終章『来たるべき「二十一世紀的通貨」のあり方とは』がとても面白かったです。そもそも、円だ、ドルだ、ユーロだ、元だと通貨がいっぱいあるのは不便です。世界中がひとつの通貨なら便利なのに、とは誰もが考えることだと思います。世界単一通貨ですね。

ところが、単一通貨は調子が狂ったとき、どこがどうくるっているのかを診断をするのが難しくなる、診断がついても、的確な治療が施せるか、心配は尽きないと言います。

話が具体的でないので、素人には「えっ、そんなことあるの? 日本国内は単一通貨で便利じゃん」と思ってしまいます。

しかし、浜矩子さんはユーロがギリシャ問題を抱えているように、世界中をひとつの通貨で管理するとギリシャ問題のようなものが多数出てきて、何が問題なのかさえも分かりにくくなると言っているのですね。

そこで提案されるのが共通通貨。これは第二次世界大戦後の通貨をどうするかブレトンウッズ会議で話し合ったときに、ケインズによって提案された国家を超えた通貨「バンコール」構想のことです。この話は前に呼んだ池上彰さんの「日銀を知れば経済がわかる」にも出てきます。ブレトンウッズ会議のときはアメリカに押され、実現されなかったのです。

共通通貨があって、各国に通貨があります。そして、地域通貨と3種類の通貨を使うことが提案されています。

地域通貨って、あまりピンと来ません。 この本では、イタリアの地域通貨のが出てきます。

イタリアはユーロの前はリラを使っていたのですが、インフレがひどくて支払いにおつりに膨大な小銭が必要なのですが、小銭がありません。そこで、大阪のおばちゃんが配るようなアメちゃんやチョコレートを小銭の代りに配るんですね。そして、アメちゃんやチョコレートはいくらあれば良いのか分かりません。アメでなくてチョコレートが欲しいという人のために引換券が発行されるようになります。これが地域通貨として通用するようになったという話です。

単一通貨と共通通貨、優れているのはどっちなのでしょう? システムに歪みがあると、それをついて儲けようとする人が現れて、リーマンショックのようなものになると言います。

安定した通貨を維持するのは難しいものなのだというのが実感です。