数多の禁煙失敗を経験した筋金入りキンエニストの話
「かわいいフリー素材 いらすとや」さんより。
禁煙なんて簡単じゃないですか
「禁煙なんて簡単じゃないですか。今まで手間をかけてたばこを買いに行っていたのが行かなくて良くなるんです。今まではお金を払っていたのが払わなくてもよくなるんです。新しいことを苦労して始めるんじゃないんですよね」
Q君はいとも簡単そうに言いました。Q君は喫煙したことがありません。ですから、禁煙出来ない私の気持ちを理解するのは難しいのだと思います。禁煙すべきと理屈では分かっていても禁煙できない私、その私に冗談のような言葉をかけてからかったのです。
覚せい剤を使用して逮捕され、もう覚せい剤は使用しないと誓って社会復帰するTVタレント。しかし、しばらくするとまた覚せい剤どっぷりの生活に逆戻りしたというニュースが流れます。それを聞いて、みなさんバカな奴だといいますが、止められない気持ちは同じなのです。
禁煙すべきだとは分かっているのです。しかし、何度も禁煙したけれど失敗しました。ヘタレな私が禁煙に成功することはないのだろうかとあきらめかけたのですが、禁煙に成功。そして5年になります。
なぜ、禁煙に失敗するのか? なぜ、禁煙に成功する人がいるのか、と考えながら、禁煙について書いてみたいと思います。
喫煙が止められないのはどうして?
すぐ禁煙.jpによりますと、タバコを止められないのは以下の理由からだそうです。
- タバコを吸うと、ニコチンが脳に達する。
- ニコチンが受容体に結合すると、快感を生じさせるドパミンが放出される。
- その快感が忘れられずに、もう一度タバコを吸いたくなる。
- 喫煙を続けることにより、禁煙すると禁断症状が現れるようになります。この禁断症状に負けて、喫煙をやめられないのです。
まったくその通りですね。「こんなものはいつでも止められるさ」と言いながら、二十歳前から吸い始め、30歳、40歳ころになると喫煙をしていると意志の弱い仕事の出来ない男のイメージで見られているのを感じるようになりました。だけれども、止められなかったのです。
禁煙をするとどんな禁断症状が現れるのか
「ニコチン 禁断症状」で検索すると分かりやすいサイトを見つけました。厚生労働省の「最新たばこ情報 > プログラム > 段階別禁煙の進め方」です。ここの「ステップ4 禁煙を実行する -タバコの離脱症状に打ち勝ちましょう。-」に禁煙したときに出てくる七つの禁断症状が取り上げられ、その対処方法が説明されています。
- タバコが吸いたい
- イライラ、落ちつかない
- 集中できない
- 頭痛
- からだがだるい、眠い
- 眠れない
- 便秘
私が感じたのは、とにかく1の「タバコが吸いたい」。いつもそう感じるのではなく、パターンがありました。
- 食後・コーヒー 食事のあとに、まずはいっぷくしよう、これが習慣のようなものでしたからこの習慣によるものですね。これを我慢すればしばらくは吸いたいという気持ちは出てきません。コーヒーを飲むときは喫煙とセットになっていたのが原因ですね。
- タバコを吸っている人を見たとき これは職場の人、家族などです。写真や動画でも感じます。TVでタバコに火をつけると見ている人も、というのは良くあることです。
- タバコのことを考えてしまったとき 禁煙していると、ときどき、ふっと「タバコが吸いたい」と思ってしまいます。喫煙者はタバコを吸えば一定時間納まります。そして、その間隔がだんだん短くなってヘビースモーカーになっていくのですね。それから、禁煙してからずっとタバコのことを考えないで来たのですが、実はこの原稿を書き始めてから、タバコを吸いたくなってしょうがありません。禁煙者はこの文章を読まない方がいいかも知れません。
2の「イライラ、落ちつかない」は自分では感じなかったのですが、妻に「禁煙するのはいいけれど、イライラして私に当たったりしないでよね」と言われたことがあります。すみませんでした→天国の妻。それ以外、眠れなかったり、便秘にはなりませんでした。
どうしたら禁断症状に打ち勝てるのか
「タバコが吸いたいとき」はどうするか、厚生労働省のWEBには「喫煙の代わりに他の行動を実行し、吸いたい気持ちをコントロールしましょう」とあります。つまり、どうやって自分を誤魔化すかですね。
私がやったのは「ガムを噛むこと」。毎日ガムでは飽きてしまいそうなので、いろんな種類のガムを使いました。酢コンブなんかも良いです。「吸いたい」と思ってしまったら、気持ちをそらす。小道具を使わずにそらすことが出来るようになったら達人の域。禁煙成功者の称号は貰ったようなものです。
禁煙を始めます。しかし、始めてはみたものの禁煙は苦しいものです。この苦しみがいつまで続くものなのか、先の見えない絶望のようなものがあります。
先の見えない絶望と言うと、似たような感覚を感じることがあります。プログラムにバグが出たり、PCが故障して動かなくなったり、ネットワークが繋がらなくなったときに感じる「今回は駄目かもしれない」という感覚です。症状が出たときは何が原因がさっぱり分かりません。すこしずつ切り分けて原因を探っていきますが、絶望の中にいます。しかし、結果的には原因は見つかりなんとかなるもの。禁煙もいつかは成功するものだと思うのです。
禁断症状は3日目がピーク
厚生労働省のWEB「禁煙:タバコの離脱症状に打ち勝ちましょう」には禁断症状は禁煙後3日以内がピーク、おおむね1週間、長くても2~3週間で消失します、とあります。
そんなのは厚生労働省に言われなくても分かっています。こちとら、何度も禁煙に失敗した筋金入りのキンエニストなのですから。禁煙に失敗すると、そのたびに、「なぜ禁煙に失敗したのか」というノウハウが蓄積されていきます。失敗は成功のもと。失敗を繰り返すたびに成功に近づいていると考えながらも、あと一歩でなかなか成功には至らなかったのです。
禁煙も3日目までは「オレは我慢しているんだ!」という充実感があります。しかし、そこからが問題。ここから先は少しずつ禁断症状が弱くなってきますから、頑張っているという自覚が薄れてきます。
1週間、10日目になると禁断症状も弱くなってきます。ここで浮かんでくるのが「1本ぐらい吸っても、次に吸わなければ問題ない」という考えです。
もちろん駄目。1本でも、一息でも、吸えば今までの苦労は水の泡。また、苦しい禁煙の第一歩からやり直しになってしまうのです。
3カ月続いた禁煙が失敗したのは韓国旅行の最終日
3日間の辛い期間が過ぎ、1週間、10日も過ぎると随分らくになって来ます。禁煙も3か月になると、もう余裕。それでも、失敗したことがあります。
妻と韓国を旅行したときのことです。釜山から慶州、そしてソウル。2005年10月6日。韓国最後の夜にタバコをおいしそうにスパーッと吸っている妻に「1本ちょうだい」と言ってしまったのです。そのときは1本でも翌日は2本、3本になり、3日もすれば5本、10本と元に戻ってしまい1日1箱吸うようになってしまいました。
西田敏行さんが禁煙に失敗したときの話をTVで見たことがあります。和田アキ子さんにタバコを吸ったら100万円あげるとか約束をしたのにまだ貰っていない、そんな話の中のエピソードでした。
西田さんは映画「敦煌」の撮影で中国の奥地(ウイグル自治区のあたりでしょうか)に行ったときに禁煙を破ってしまったんだそうです。広大な自然の中でゆったりと美味しそうにタバコをくゆらせている人に「1本ください」と言ってしまったのです。あとはどうなったのか、禁煙失敗のベテランには簡単に想像がつきます。
「オドゥ山統一展望台」 (http://maps.google.co.jp)より。向かいは北朝鮮。手前の岸には鉄条網。 漢江(ハンガン:左手前)と臨津江(イムジンガン:右)が合流し、左上へ流れていく。
2010年1月から始め、今でも続いている禁煙
今続いている禁煙は2010年1月から始めたものです。
娘の結婚式のためにハワイに行っていた妻が帰ると「禁煙する」と言い出しました。娘の夫が禁煙するので禁煙すると言うのです。私には「吸ってもいいよ」と言うのですが、禁煙している人の目の前で吸うのは気の毒です。それで、私も吸わないことにしました。今でも続いている禁煙のきっかけはこれです。
あとは、吸いたくなる度にガムを噛んだり、3日目のピーク、1週間、10日と禁煙のノウハウは蓄積されていますから、慣れています。苦しかったですよ。それでも、なんとか禁煙を続けることが出来ています。
あなたは何回禁煙にしっぱいしましたか?
私は5、6回は禁煙に失敗していると思います。失敗を繰り返せばノウハウが蓄積されます。成功まではあと一歩です。レッツ禁煙!
タイトルをつけるの参考にした書籍
アンチエイジングの研究者、ココナッツオイル健康法や糖質制限でも有名な白澤卓二教授の「食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。」を参考にして作成しました。
このタイトルを見たとき、タイトル見ただけで買いたくなってしまい、すぐ購入しました。
食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
- 作者: 白澤卓二
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
- 発売日: 2014/07/08
- メディア: 単行本
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