シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

脳は外界からの刺激で機能、構造が変化する・ノーマンドイジ「脳は奇跡を起こす」

脳は奇跡を起こす

脳は奇跡を起こす

 

目次

たももさんに教えて貰った本

たももさんというアメリカ在住の女性がいます。IT系の仕事をしながら起業までしてしまったパワーあふれる方です。*1

 そのたももさんの書評「脳は奇跡を起こす (原題: The Brain That Changes Itself)」を読みました。すると、こんなことが書いてありました。

  • ボケないためにはエクササイズと新しいことを学び続けること
  • 自己暗示で何でもできるようになる
  • 勉強すればするほど脳は発達する

これには興味が湧きました。

 

今年の正月にこんなブログを書きました。

元JAL機長の臨床心理士にミーハーに感動して心理学を学びたくなったので、放送大学で学ぶことにしたという内容です。リタイアする年齢だというのに、私はこれから放送大学で心理学を学ぼうとしているのです。

若い者には負けんと思っても、やっぱり不安はあります。この本が私の不安を解決してくれそうに感じ、アマゾンから購入して読んでみました。*2

そうしたら、期待した以上のことが書かれていました。

脳の可塑性とはなんだろう?

この本は脳の可塑性(かそせい)をテーマにして書かれています。最初はこの漢字が読めなくて、「塑」が「逆」に似ているところから「かぎゃくせい」なんて、いい加減に読んでました。

かそ‐せい【可塑性】

固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質。塑性。(goo辞書「可塑性」の意味

この言葉からすると一度脳の機能、構造が変ってしまうと戻らない意味にとれますが、この本では粘土のように何度でも変ると言っています。こちらの「知恵蔵2015の解説/神経の可塑性」には詳しく説明が書いてあります。

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(Wikipedia :「脳機能局在論」より)

なぜ、脳の可塑性が重要か。それは、脳はその部分ごとに違う機能があるという「脳機能局在論」というのがあって変化しないと考えられていたからです(脳機能局在論 - Wikipedia)。それが変るのだというのがこの本のテーマです。

脳は訓練で鍛えられる

最初は平衡感覚を失った女性がふらつかないで歩けるようになる話です。彼女は感染症にかかったときに飲んだ抗生物質の副作用で内耳の機能を失ってしまいました。

しかし、加速度センサーのついたヘルメットの信号を舌に伝える訓練により、装置がなくてもふらつかないようになってしまう話です。

脳が非対称で学習障害のある女性が克服する話もあります。

3章には老化の問題が出てきます。

一般に高齢になると新しいことを学ばなくなります。それが脳の力を衰えさせると言います。使わない機能は失われます。しかし、新しく外国語を学習するとか、新しいことを学べば脳の力は衰えないと言います。
新藤兼人監督は98歳のときに代表作と言われる映画を作りました。 高齢でも脳の機能を失なわなかったのです。

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茂木健一郎さんがこの本の解説を書いていて、次のような文で締めくくっています。

私たちは安心して人生という海を泳いでいっていい。脳の中に潜む限りない「可塑性」が私たちの挑戦を支えてくれるはずだ。必要なのは、より良く生きようという「意欲」なのである。

誰の脳にも機能の弱い部分があると思います。私は覚えるのが苦手。今考えると、小さいときから覚えるのが嫌だから手抜きをすることが多くて、それが影響して記憶する機能が弱くなったのかもしれません。それも訓練で克服できるはずです。

熟練者になるためには、たいていは集中しながら努力を続けて10年かかるとも書いてあります。努力重要。

効率良く外国語を学ぶにはどうすれば良いか

よくに使う機能は発達し、使わない機能は失われると言います。脳の中では機能を司る部分の領域争いをしているようなイメージです。

そこで思ったのは、外国語を効率よく学習するのには脳の日本語マッピングを遮断するといいのではないかということです。海外へのホームステイや留学がこれですね。

以前は日本にいても英語は学習できると考えたことがありますが、日本語の遮断が不完全にしかできません。そうすると、脳の中での縄張り争いが弱い外国語はなかなかマッピングを増やすことができないのではないかと考えました。

もちろん、海外に行ったからといって、何もしないで外国語が上達するはずもなく、学習が重要なのは言うまでもありません。

高齢者はいたわればよいとは限らない

よくに使う機能は発達し、使わない機能は失われる話では、義母の例が面白いかもしれません。

義母は89歳になりました。元気な義母でもやはり足腰は弱り、二階へ上ることはほとんどありませんでした。

ところが、妻が亡くなるとそうも言っていられません。ひ孫は学校なのに起きないから何度も二階へ行って起こします。私の布団を干したり、掃除をしたりと妻の分まで動き回るようになったのです。そうしたら、以前よりもずっと元気になったのです。

妻は「いろいろやった方がボケなくていいのよ」と言ってました。「ボケ防止を口実になんちゅう娘だ」と思っていたのですが、高齢者は何でもいたわればよいということではないようです。

まとめ

この他にも、イメージだけのトレーニングでピアノが上達する話や、指の筋力アップのイメージトレーニングだけを続けて筋力がアップする話。失った腕の痛みを取る話もありました。どんな方法で、ない腕の痛みを消すことが出来たと思います?

脳は遺伝子の情報によって出来上がりますが、いろんな刺激を受けながら成長します。大人になって脳が完成しても、可塑性がありますから、よくも悪くも変化を続けます。

この本を読めば新しいことにチャレンジする勇気、学ぶ勇気が湧いてくると思います。

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*1:詳しくは「アメリカで働く&起業する私のブログ|About Me」をご覧ください。

*2:日本のアマゾンでは、日本語版は中古品が3500円~27,216円の9冊あるだけ。私が購入したのは 3,693円 + 送料 257円です。(アメリカのアマゾンはこちら「The Brain That Changes Itself: Stories of Personal Triumph from the Frontiers of Brain Science」。854ものレビューがある人気の本です)