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売切れで閉店するパン屋さん
「あずきベーカリー」を訪ねる小豆島への旅も、今回が最後の記事です。
最終日、レンタカーでホテルからお店へ。
パンが並べられ、お客さんを待っている状態でした。
ひげパン
孫が買ったのはこの「ひげパン」。味はあの「かにぱん」をイメージしたものなのだそうで、ヒゲ大好きのひげっぱさんらしい面白いアイディアです。ひげっぱさんが提案すると、ご主人がそれを面白いと思って商品にしたのでしょう。いいコンビです。
私が義母へのお土産にアンパンを2個お願いすると、ひげっぱさんも「それがいいと思う」と言ってくれました。
そうしているうちに、お客さんが入って来て、パンを購入します。
「これ2個。これを2個。それから・・・」。10個も買ったでしょうか。次のお客さんも、いっぱい購入します。なんですか、これにはびっくりです。並べてあったパンは見る見る少なくなって補充されます。
オープンする前は「つぶれないうちに早く来てください」と言ってました。
「もしダメだったら、私が人形を作って支える」とも。 私も大丈夫なのかしらと心配してました。
ところが、昨年11月にオープンしてみれば完売が続きます。一枚もチラシを配っていないと言いますから、小豆島の口コミ力は大変なものです。
半年が経過した今でも人気は変わらないようで、こんなお知らせをFaceBookで見かけました。
4月4日 0:22 ·
【 閉店時間についてのお知らせ】いつもあずきベーカリーをご利用いただき誠にありがとうございます。
今まで9:00~17:00の営業時間でしたが、
4月4日より商品売切れ次第閉店とさせていただきます。
パンがある間は17:00まで店は開けています。何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
これからも変わらぬご愛顧の程、よろしくお願い申しあげます。
スープがなくなったら閉店するラーメン屋さんみたいです。そして、大繁盛は当分続くと確信しました。なぜそう思ったのか、箇条書きにするとこんな感じです。
- パン職人としての確かな腕
- 楽しいお店を作るアート感覚の演出力
- 気遣いの達人ひげっぱさんは商人に向いている
この三つのことについて、もう少し詳しく書いてみます。
パン職人としての確かな腕
義母は、お土産のアンパンを食べると、「こんなアンパン食べたことない」と言ってました。餡が手作りで他では食べられない味なのでしょう。
私はおまけのクリームパンを食べます。口に入れた途端にクリームの味が広がります。こんなクリームを食べたのは生まれて初めて。驚いてしまいました。
味に深みがあります。丹念に手作りされたクリームはこんな味がするものなのですね。お菓子の職人ならもっと分かりやすく味を解説出来るのでしょうが、私には美味しいとしか言えません。生地も柔らかく、見事なクリームパンでした。
メインの商品(というか作品)がクリームパンやアンパンではないはず。それでもこうなんです。10個も買う人の気持ちが分かりました。
「小豆島 ご当地パン祭り」で取材を受けた記事があります。
興味深い点がいくつかありす。
- 大人気のためにいつもお昼過ぎには完売状態・・・。
- 「パンは作るものじゃなくて育てるもの」という師匠の教えを大切している。
- 人気があるのは、自家製バターミルククリームたっぷりの「ミルクフランス」
(私が食べたのはコレですね)
ご主人はパン屋さんに29年7ヶ月勤めていました。何店舗かのお店を持つパン屋さんだそうで、お師匠さんの徒弟としてパン職人の腕を磨き続けて来ました。確かな腕をもつパン職人なのです。
アート感覚の演出が楽しいお店を作る
「あずきベーカリー」に入ると楽しい雰囲気が溢れています。
食パンの袋がこれですよ。
こちらにオープン当時の楽しい雰囲気が紹介されています。
これ、何だと思います?
答えは、ひげっぱさんの持っているスマートフォンのケース。
シンプルな「あずきベーカリー」の看板。それを愛車ルノー・カングーと同じように錆びが演出しています。
店舗に「初音ミク」の掛け軸が飾ってあるんですよ。
パンが陳列してある反対側の棚。
小さいバケットを焼いて人形に持たせる遊び心。
「じゃこぱん」もあります。
イラストはペットの「ひげっぱ」。
この時計、ウチにありました。ソーラーでないから、ネジを巻くのが面倒です。
ひげっぱさんは、もんぺにかっぽう着、それに手ぬぐいを被って接客しています。自分の姿を演出して楽しんでもいます。その楽しさが周りの人たちに伝わって、人が集まってくるのですね。
ひげっぱさんは商人に向いている?
「あずきベーカリー」が繁盛が続と思った理由の最後は、ひげっぱさんの気遣いです。
私たちが、ホテルに着くとお隣からもらったブンタン一個と四万十川の海苔、入浴剤を持って来てくれる。醤油屋さんでも、つくだ煮屋さんでも、お土産をいただきました。
「寒霞渓」では、5枚1組200円のかわらをいくつも買って、孫を遊ばせてました。
ひげっぱさんは私たちを楽しませようとしている。それが良く分かりました。
「夜桜イベントがあるから、レンタカーで繰り出します?」
そう提案されたとき、桜は昼に見たからとお断りしましたが、本当はお風呂に入ってビールを飲みたかったのです・・・すみません。
こんなにひげっぱさんは気遣いの達人です。だから、パン屋のおかみさん向いていると思ったのでした。
草壁港フェリーターミナル
さようなら、小豆島。
フェリー1階
乗船した階段を1階へ。車が方向転換しなくても良いように反対側から下船するようになっている。知らないから反対側まで歩きました。
高松駅構内・連絡船うどん
中が仕切ってあり、駅の外からでもうどんが食べられるようになっていました。
うどん県のスープは色がうすい。
最後に
これで、新規オープンの「あずきベーカリー」を訪ねる小豆島への旅は終了です。
ひげっぱさん、ほんとうに楽しかった。ありがとうございました。