シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

「神に祈って頼るな。自力で突破せよ」 牧師が生還へ導く・「ポセイドン・アドベンチャー」の感想

ポセイドン・アドベンチャー [Blu-ray]

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※ネタバレ注意

目次

「ポセイドン・アドベンチャー」って名作だっけ?

映画は「午前10時の映画祭」で紹介されている古い映画を中心に見ることにしています。新しい映画を観たい気持ちはあります。でも、せっかく見たのに期待はずれだったときのがっかり感は大変なものです。期待が大きいとよけい裏切られた気分になってしまいます。それを避けたいのです。

今年の上映劇場スケジュールを見て、この映画が名作だったの? と感じる作品がいくつかあります。

  • アマデウス  リアルタイムで有楽町マリオンで見た記憶があります。アカデミー賞の作品賞をはじめ8部門を受賞。英国アカデミー賞4部門など、この映画のもてはやされぶりは大変なもの。アマゾンのレビューをみると絶賛しているものばかり。見落としているのだろうか・・・と見たくなりましたが見逃してしまいました。
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2、PART3 まで上映スケジュールに入っています。名作映画紹介ブログにもよく入っています。リアルタイムで上映されている頃は、きっと安っぽい娯楽でしょ、と舐めてかかって見ませんでした。すみません・・・Orz
  • ポセイドン・アドベンチャー TVで放映されたものを録画して見た記憶があります。Wikipedia を見ると日本語吹き替えで放送されたのは3回ですが、時期を考えると1983年2月2日の日本テレビ『水曜ロードショー』のようです。
    そのときの印象は名作とは思いませんでした。ただ、強引な牧師のリーダーシップで数名の乗客だけが助かるというストーリーはいかにもアメリカらしいと感じました。

「ポセイドン・アドベンチャー」は名作だったのか・・・。

ニューイヤーズ・イブの夜、米国豪華客船ポセイドン号は、様々な人々の人生を乗せてアテネに向かっていた。しかし、その時海底地震が発生し、数分後船は大津波にのまれて転覆、一瞬のうちに数百名の生命を奪う大惨事となった……!

( amazon:「ポセイドン・アドベンチャー・<ストーリー>」より)

何かを見落としているのかもしれません。これは映画をもう一度見て確認すべきと考えたのでした。

町山智浩さんの解説が素晴らしい

映画のネタバレを嫌う人がいますが、私は気になりません。どんな結末になるのか、どんな仕掛けがあるのか、それが重要な映画については良識のある人はそこまでは話しません。それよりも、映画に関する情報を集めてから見たほうが、映画を深く知って楽しめると考えています。良い映画は何度みても良い映画です。

ということで、映画を見る前に「ポセイドン・アドベンチャー」の情報を収集していましたら、町山智浩さんの解説動画を見つけました

<復習編>の解説が素晴らしい! ネタバレを気にしない人は、ぜひこの動画を見てください。ぜったい「ポセイドン・アドベンチャー」を見たくなります。

町山さんは、「アメリカのいろんな評論家が『これは聖書なんだ。ノアの箱舟なんだ』と言っている」と話します。

この映画には二人の神父が登場します。

ジーン・ハックマン演ずる若いスコット牧師と老いた船の牧師です。

「ひざまづいて祈ったからと言って何でも解決するはずないでしょ。神を頼りにする人を神は助けない。頑張った者しか救わないんだ」

スコット牧師はこんなことを言う牧師です。だから、アフリカの教会に飛ばされ、ニューヨークからアフリカへ旅している途中なのです。

老いた船の牧師は違う考えです。

「君は強い人のことばかり考えている。みんなが強い訳じゃないんだ。私は弱い人のために祈りたい」と言います。老いた牧師は転覆した船のホールで怪我をして動けない人たちと共に残るのです。

あれ? こんな映画だっけ? 強引に牧師が生還に導く映画だ。キリスト教の国アメリカらしい映画だとは思いましたが、そんなシーンあったっけ?

こんな大事なシーンを見逃していたのか・・・。

なぜ、大事なシーンを見逃していたのか

「神に祈って頼るな。自力で突破せよ」と言うスコット牧師。なぜ、こんな大切なシーンを見逃していたのでしょう。

私が録画して見たのは、1983年2月2日に放送された日本テレビの「水曜ロードショー」のはず。

1980年4月2日 - 1985年9月25日 21:02 - 22:54(112分)
(Wikipedia:「水曜ロードショー (日本テレビ)・放送時間」より)

「水曜ロードショー」の放送は112分ですが、それに始めと終りに映画解説があり、CMが30分くらい入るでしょうから残りは80分くらい。DVDの登録情報である「時間」をみると117 分ですから、30分くらいはカットされているようです。

ポセイドン号が転覆してからは緊張感が高くて視聴率を稼げそうです。そうすると、転覆する前のシーンが多くカットされたのではないかと思います。スコット牧師が左遷されてアフリカに行くことや、「神に祈って頼るな」と言う彼の主張など大切なシーンは放映されたのでしょうか。

スコット牧師の主張を知って映画をみるのと、彼の主張を知らないでただのパニック映画としてみるのでは大きな違いです。

まとめ

午前10時の映画祭「ポセイドン・アドベンチャー」を見る前に町山智浩さんの解説動画がを見ました。「これは聖書なんだ。ノアの箱舟なんだ」。これを理解してから見ると全然違います。

スコット牧師に付いていくのは9人。太った中年のおばさんは足手まといになるばかりかと思えば、元は水泳の選手でスコット牧師が危機のときに命を助けます。しかし、このおばさんは心臓麻痺で死んでしまいます。大切な人から死んでいく。夫は一緒に残ろうとします。そこは妻をなくしたばかりの私には泣けました。

そのスコット牧師も「神よ、私たちを邪魔するな。まだ生餌が欲しいのか」と死んでいきます。

私のように文句ばかり言っていた刑事は生き残ります。

「ノアの箱舟」、モーゼの「出エジプト記」の物語だという意味がわかりました。

ずいぶんと経過してしまいましたが、町山智浩さんの解説動画を見たあとに「ポセイドン・アドベンチャー」を鑑賞できたのは幸運でした。