杉村太蔵さんてバカなの?
杉村太蔵さんの「バカでも資産1億円 『儲け』をつかむ技術」という本を読みました。
杉村太蔵さんといえばこんな方。
- 2005年の郵政選挙で棚ボタ当選。
- 新人議員のインタビューで「早く行ってみたいですね、料亭に」と言って一躍注目を集める。
- 任期が終了してからは「サンデージャポン」で爆笑問題に「薄口評論家」と命名される。
- 「ナニコレ珍百景」には珍百景党・党首として出演している。
アマゾンのレビューを見ると「とても面白いです」と褒めている人が多いのですが、一方では酷評している人もいる。
- 「日本国民はもっと怒るべき」
- 「この男を使うテレビも馬鹿だが、それを許してる国民も馬鹿」
- 「こんなバカの本を買うだけお金の無駄!」
- 「ラッキーフールとは運がいいだけのバカw」
こんなふうに★ひとつのレビューを書いている人もいます。
しかし、これらは本も読んでいないただの罵倒でように見えます。この本を読んで分かった杉村太蔵さんはバカではない、実力があるんだということを書きます。
何故この本を買ったのか
理由は二つあります。
- ひとつは杉村太蔵さんが株式投資で数千万円の利益を上げていて極意を公開するということなので知りたかった。
家電の量販店に出かけて行って一番売れ筋の商品を調査するという話は聞いていましたので、数字とにらめっこする以外の楽しみがあるなら株をやってみても良いと考えていたからです。 - それと、「バカ」という言葉。
杉村太蔵さんがこの本を出版してまもなくの頃に、阿川佐和子さんがインタビューするTV番組「サワコの朝」を見ました。
ゲストは所ジョージさん。所さんが「自分をバカだと思えば良いんです」と言うんです。「あぁ、そう、思えば何でも出来るんだ」、そう思いました。
アントニオ猪木さんだって「馬鹿になれ」って言っています。杉村太蔵さんも意識してバカになっているのかも知れないと考えて読んでみたくなったのです。
杉村太蔵さんのサクセスストーリー
この本に書かれているのは杉村太蔵さんのサクセスストーリーがほとんどです。そして、ちょっと読めばアマゾンのレビューが的を射ていないのがすぐ分かります。
杉村さんが有名になったのは国会議員に初当選して料亭発言をしたから。
では、なぜ杉村さんは自民党の候補者になれたのでしょう。自民党公認候補の公募に応募して審査をパスしたからです。
外資系証券会社に勤めていた杉村さんは、自民党が候補者公募をしていることを知って郵政改革の論文を書いて提出します。
そして、面接。さらには教育についての論文を書けと言われて論文を提出します。そしてついに、公認候補の審査をパスしたのです。
そんなこと誰にでもできますか?
杉村太蔵さんの能力の高さに感心してしまいます。
トイレ掃除から外資系証券会社の社員へ
高校時代はテニスの日本チャンピオンでした。しかし、推薦で入った大学は中退してしまいます。
仕事がなく、ビル掃除のために人材を派遣している会社にようやく入ります。働いていたのは、総理大臣官邸の隣りにある山王パークタワーです。ストリートビューでみると巨大なビルがみえますね。
なぜ、トイレ掃除から外資系証券会社の社員になれたのでしょう。
それまで無職だった杉村さんは、仕事があるだけでも感激して毎日トイレをピカピカに磨きます。
そこで「きみは若いし、将来必ず出世する。ウチの会社の試験を受けてみなさい」と重役に声を掛けられます。杉村さんのサクセスストーリーは、私からみると素晴らしい幸運のように見えてしまいます。
杉村さんはただの幸運な人?
素晴らしく幸運な人に見えますがそうなのでしょうか。
- 高校時代はテニスの日本チャンピオン。
- トイレ掃除をしていると証券会社の重役から声をかけられる。
- 自民党公認候補の公募に応募すると審査をパスして棚ボタ当選。
- 料亭発言で注目を集めてTVタレントへ。
違います。それは私が同じ状況のとき同じような行動がとれるか想像してみれば分かることです。
- テニスの日本チャンピオンはとても無理。
- 私がトイレ掃除をしてても、重役に声を掛けられることはない。
- 政党公認候補に応募しようとさえしないのは確実です。
「早く行ってみたいですね、料亭に」発言は、初当選のテレビ取材で「一生懸命やります」という発言では意味がないと考え、国会議員の待遇が良すぎる問題を提示しようとしたことが炎上してしまったのことです。
編集がすばらしい
この本は「週刊女性セブン」の連載されていたものを、加筆修正したものだそうです。「挫折を乗り越え、人生を好転させるには?」、「バカでも出世を叶える働き方の知恵」など7つの章に分かれ、その内容はハウツーもの構成になっています。
章の中の一話一話も「人生に効いたキャバクラでの経験」、「電話は5秒以内」などハウツーなタイトルなのですが杉村さんの体験談です。
この体験談が面白いですね。
「おわりに」にライター、担当編集の名前をあげてお礼を言っています。文章の展開がとても上手なのでライターの手がかなり入っているのかもしれないと感じました。
話が面白いので一気に読めてました
『「儲け」をつかむ技術』サブタイトルから私が期待していたのは、株に関する話。それから、所さんの「自分をバカだと思えば良いんです」発言から、杉村さんの行動哲学のようなものを知りたかったのです。
株に関する話は最後に少しだけでした。期待したほど多くは書かれていませんでしたが、自分の体験を通しての話なので説得力がありました。
本の最初に「儲けとは、自分が経験したきたことによって得られる、人生を豊かにするすべてのものだと思います」と書かれています。
自分が経験できなかったことでも、本を読めばある程度は疑似体験できます。それでも人生は豊かにまりますから、読書ほど良いことはりません。
自分をバカだと思えば、周りをきにしないで何にでも挑戦できる、そう思って杉村さんは生きてきたのではないか、そう期待して本を買いました。しかし、そのことには触れていませんでした。
杉村さんの挑戦する生き方は参考になります。 この本を読んでかなり、儲かりました。
- 作者: アントニオ 猪木
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/09/25
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