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義母は婿養子になって欲しかった
最高裁は、「夫婦は同じ名字を名乗る」という現在の法律が憲法違反でないと判断しました。つまり、不都合があっても、夫婦別姓を名乗れない現在の法律は憲法違反ではないということです。
私の場合、夫婦の姓を決めるのがすんなりと簡単には行きませんでした。そのことを書いてみます。
まず、婚姻届けを出そうという話になると、私が姓を変えて欲しいと義母が言っている、そう妻は言いました。分かり易くいうと婿養子なってほしかったのです。
う~ん。私が姓を変えれば手続きがいろいろとあって面倒です。婿養子は妻の家に入って保護されるイメージがありますから、私のプライドが傷ついてしまいます。
そこで、こう提案しました。「わかった。戸籍はそうするけど、普通使う姓は今のままにしたい」と。
妻は、「それは嫌だ」と言います。戸籍に乗っている姓が同じでも、日常使う姓が違えば夫婦としての一体感を味わえないと考えたようです。
で、結果として婚姻届けには私の姓を使うように届け、「サザエさん」のマスオさん状態になりました。つまり、同じ家に「磯野家・フグ田家」のように二つの表札を掲げました。
漫画「サザエさん」の連載が始まったのが1946年(昭和21)だそうですから、当時は随分と先進的な家族だったのでしょう。
もし、婿養子になっていたら
今になって考えてみると、私の態度は義母や妻への思いやりが足りなかったと反省します。
婿養子になって私の姓が変わったとします。役所の書類や健康保険、免許証の姓が変更され、それでも日常使う姓を元のままにするのが面倒になってくるような気がします。
そして、段々と戸籍の姓を使うようになってくる。それも、良かったのかなとも思います。どっちみち、姓も名も識別符号なんですから。要は慣れですよね。
夫婦別姓が可能だったら
妻は夫と同じ姓になることが結婚であると考えていました。ですから、どんな状況でも、別姓を選択することはなかったと思います。
夫は妻の旧姓、妻は夫の旧姓を名乗りたいパターン
「はてな匿名ダイアリー」に、夫は妻の旧姓を名乗り、妻は夫の旧姓を名乗りたいという話がありました。
そこで思い出したのか作家、五木寛之さんの姓。ウィキペディアによりますと、五木さんの旧姓は松延でした。妻になる人は岡玲子さん。普通なら「松延」か「岡」になるのですが、夫人の親類である「五木」を名乗ったと言う話です。(五木寛之 - Wikipedia)
「はてなブ」に書き込んだら★がいっぱいついたのですが、「養子縁組とか現実的じゃないだろ」と気に入らなかったというか、簡単でないと考えたようです。残念でした。
お墓はどうするの?
「斗比主閲子」さんのエントリーに元産経新聞記者の福島香織さんのツイッターが引用されていてました。その中で福島香織さんが「姓を一緒にするぐらいは必要じゃないか。一緒のお墓にはいるんだし」と言ってます。
一緒のお墓でも、姓が同じである必要はありません。従来は「磯野家の墓」、「フグ田家の墓」とする人が多かったのですが、うちのお墓は「和」という一文字が入っているだけです。妻を含め、すでに姓がバラバラな3人が入っています。
まとめというか疑問
「夫婦別姓」というよりも、どうして本人の意志とは関係なしに先祖が使っていた姓を引き継いで使わなくてはならないのか、という疑問があります。同じ家系が続いているというのが分かるメリットがあるからでしょうか。それが分かって誰が得をするんでしょう?
名前だって本人の意志とは関係なく、生まれたときに親が決めて役所に届けたものです。
一生に一度でいいですから、成人になったときにでも、姓も名前も、自由に決めさせて貰えればうれしいです。そうすれば、武者小路でも、綾小路でも、五郎丸でも、今までなかった姓を自由につけられれば楽しいかも。もちろん、変更なしに親がつけた名前を使うのもありで。