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「つげ櫛」ってプレゼントにいいの?
義母がひ孫に「つげ櫛」をプレゼントしたときのことを書きます。
義母が私に聞きました。
「『つげ櫛』を売っているところを知らない? 〇〇ちゃん(ひ孫)が 2 歳になるから誕生日のプレゼントにしたいの」
「つげ櫛」。 庭の植木にもなっているあのツゲの木で作られた櫛のことです。
欲しい物はとりあえず、アマゾンで調べます。
検索すると、300円くらいのものから 3万円近くのものまで、幅広い価格のものがありました。
選んだのがこれ。義母が買ったときの価格が「 8,148円」で、現在は「11,000円 」もします。
櫛にしてはかなり高価なものです。なぜ、こんなにも高価な「つげ櫛」をプレゼントに選んだのでしょう?
義母にその理由を聞いてみると興味深いものがありました。
どんな話だったのか、ちょっと紹介してみます。
義母がプレゼントに選んだ理由
この写真は義母が使っている「つげ櫛」の写真です。
毎日同じところを持つからか、櫛の歯が欠けてしまっています。
なぜ、こんなになるまで使っているのか、義母から聞くと、こんなことを教えてくれました。
- 木が材料の「つげ櫛」は、静電気が起こりにくく、髪を痛めることが少ない。
プラスチック製の櫛やブラシは静電気が起きやすく、切れ毛や抜け毛など髪を痛めることがありますが、「つげ櫛」はそんなことはありません。 - 「つげ櫛」を使う度に髪に椿油がしみて、髪にツヤが出てしっとりとします。
椿油に漬け込んで作られ、手入れも椿油を使うからです。
だから「つげ櫛」ををひ孫にプレゼントするのだと言います。そして、義母がこの「つげ櫛」を長く使っている理由がもうひとつありました。
毎日使い続けている「つげ櫛」
この「つげ櫛」は義母のお父さんがお母さんにプレゼントしたものだそうです。
義母のお父さんは、栃木県の足利で自転車屋を開いて成功し、当時は珍しかったT型フォードを乗っていたというハイカラな人でした。
こんな人です。
「つげ櫛を買ったのは、浦和の調神社ちかくの会館。普段は威張ってばかりいる父が見せた思いやりに驚いた」と話します。
それが義母が 8 歳のとき。義母は現在 93 歳ですから 85 年前のことです。
義母のお母さんが亡くなったのが奈良にいるときで、妻が20歳くらいの頃です。
義母はつげ櫛を形見として分けてもらったのですが、そのときには既に櫛の歯が欠けていたそうです。
85 年前から使い続けられている「つげ櫛」。それと同じものをひ孫にプレゼントしたいという義母の思いがあるようです。
最後に
義母は長く『つげ櫛』を使っていて、それは思いれのあるもの。そんなことから義母は ひ孫の誕生日プレゼントに選んだようです。
『つげ櫛』にはこんな紙が入っていました。櫛の手入れ方法が書いてあります。
「櫛の端部をにぎり込むような持ち方でとかされますと折れる原因となり・・・」
義母の櫛が折れているのはこれかもしれません。
「つげ櫛」って本当にいいのでしょうか。
本音の口コミを2つ見つけることができました。
総合的にはどちらの評価も高いようです。
プレゼントを受け取ったひ孫も、曾祖母の思いを受け止めて「ひいおばあちゃんからのプレゼント」として長く使って欲しいと思ったのでした。