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(ぱくたそ「習ったはずの公式がまったく出てこない女子高生」より)
単位認定試験に酷い結果の科目があった
2月15日から単位認定試験の結果がシステムWAKABAで閲覧できるようになり、ファエイスブック放送大学バーチャルキャンパスはお祭り状態になりました。16科目の単位認定試験のすべてⒶという人がいて、世の中にはすごい人がいるもんだと感心してしまいました。
さて、私はというと、Ⓐがひとつ、Aがふたつ、Bがひとつ、Cがひとつです。
「評語」蘭の意味は次のように定義されています。
Ⓐ(100~90点)、A (89~80点)、B (79~70点)、C (69~60点)、D (59~50点)、E (49~0点)
C以上の評価を得た者を合格とし単位を与えます。
(放送大学「単位の認定基準」より)
ⒶとAはいいとして、Bはちょっと・・・、さらにCとなるとギリギリでパスしたという情けない話です。
- Ⓐ:科学的探究の方法
持ち込み可でしたがテキストを確認することもほとんどなく、理系的に思考すれば自然と答が導き出せました。 - A:問題解決のために
これも同様でした。 - A:日本語とコミュニケーション
通信指導問題が60点。あわてて力を入れて学習しました。持ち込み可だったから、なんとかAになった感じ。 - B:国際理解のために
750文字~800文字の記述式。持ち込み不可。
1990年ころから手書きで文字を書くというのが全くなくなりました。それで漢字が書けない・・・Orz だからと言ってカタカナを乱発する訳にもいかず、間違って書いた文字が多かったかも。
書きたいことが書ききれず尻切れトンボになってしまった。 - C:心理と教育を学ぶために
持ち込み不可。選択式。最後まで選択に迷う問題がふたつあった。そのうちひとつは迷ってマークを書いたり、消したり。
計算機の概念を考えた人とか、計算機関係の人の名前や概念の情報はたくさん持っていても、心理学や教育に関する記憶はほとんどありませんから、記憶に残りにくかったようです。
B、Cになった科目は、持ち込み不可だったという特徴があり、文系が苦手というか記憶力が悪いという弱点が出た結果のような気がします。
私はなぜ記憶力が悪いのか
高校時代は出来る科目と出来ない科目がありました。どの科目も勉強はほとんどしなかったのですが、物理のテストは得意で他はダメ。
今になって考えてみると物理は興味があったということもありますが、記憶することが少なかったのではないかと思います。しかし、歴史や英語は記憶しなければならないことがいっぱいあって苦手だったのです。国語も苦手でした。
現在、放送大学で「心理と教育コース」を中心に学んでいるのですが、「心理学概論 (4)認知についての心理学」で興味深いことをやっていました。どのように理解するのかというのも心理学でのテーマであり、理解、記憶にはスキーマやスクリプが重要だというのです。これは今後の学習に役に立ちそうです。
慶應大学の伊東裕司教授が、良く出来る生徒と出来ない生徒の違いについて話していました。
- 関連した知識を持っている
- 関連した知識を持っていない
関連した知識を持っていれば、既存の知識にさらに関連づけられるので有利です。
それと、暗示条件の文と明示条件の文についてフランクスの論文を紹介していました。(Franks.J.J. et al 1982)
- 頭の上にバケツを乗せていました。(暗示条件の文)
- 頭の上にペンキを塗るためのバケツを乗せていました。(明示条件の文)
これはビリーという少年がお父さんの工場を訪ねる話の文章の一部です。お父さんが作ったロボットみたという2種類の文章を読んで、文が暗示条件の場合と明示条件の場合に、読解する時間と学習する時間、生徒の成績がどう違うかを研究したものです。
- 読解する時間
成績上位のグループも、成績下位のグループも明示条件文の方が読解に時間がかかる。これは文章が長いからです。 - 学習時間
成績上位のグループ:文章の短い暗示条件文の方が学習に時間をかけている。
これは、書かれていないことを推論して、書かれていることに関連づけて理解するので学習時間が長くなる。
成績下位のグループ:文章の短い暗示条件文は学習時間が短い。 - 生徒の成績
明示条件文は成績上位グループと成績下位グループの差がほとんどない。
暗示条件文は成績上位グループと成績下位グループの差が大きい。
成績上位グループは「頭の上にバケツを乗せていました」という文章がでてきたら、文章の流れから、「そのバケツはペンキを塗るためのペンキを入れるためのバケツなんだな」と書かれていないことを推論しながら読んでいるようです。
なるほど。
理解や記憶はスキーマやスクリプを重要だと言います。
- スキーマ理論
スキーマは一般的な知識の固まり。
湯呑み茶碗。陶器や磁器で出来ていて、それでお茶を飲む。大きさ。
それに関連した知識がくわえられると、取っ手がついているものはコーヒーカップ。 - スクリプト
芝居の台本をスクリプトと言います。スキーマが組み合わされた手順。
初めて自動販売機を見た人は使い方に戸惑うと思います。しかし、一度理解すれば次からは少し違っていても、スクリプトがほぼ同じなら使えます。
記憶されているスキーマやスクリプトに情報を加えて修正しながら、記憶していきます。
ブランスフォードとジョンソン「散文の理解における文脈効果の実験例」
たとえ風船が歌を奏でたとしても、その音はお目あての階に届かないかもしれない。
なにしろすべてがあまりにも遠すぎるから。
建物にはたいてい遮断効果があるので、もし窓がしまっていたらおじゃんである。
うまくゆくか否かは、電流が安定して流れるか否かにかかっているため、電線の途中の切れ目も問題を起こすだろう。
もちろんこの男は大声で叫ぶこともできる。
しかし、人間の声はそんなに遠くに届くほど強くはない。
もう一つの問題は楽器の弦が切れるかもしれないということだ。
もしそうなると、思いのたけを伝えるのに伴奏なしでやらなければならない。
距離が近いことが一番良いのは明らかである。
そうなるとやっかいな問題はほとんど起こらないだろう。
会って語りあえば、まずいことはまったく起こらないだろうに。
この文章は何のことか分からない人が多いと思います。けれどリンク先の下の方にある絵をみると書いてある内容を理解することが出来ます。スキーマやスクリプトが重要なのです。
私は農家の生まれで小さいときはほとんど本を読んでいませんでした。だから、こういう推論しながら読むのが苦手だったのかも知れません。それと「国際理解のために」や「心理と教育を学ぶために」は関連する情報をほとんど持っていませんでしたから、それも影響したようです。
どうすれば記憶力を高められるか
先に普通のライターがトレーニングして記憶力チャンピオンになった本を読み、そこで紹介されている「記憶の宮殿」を使ったことを書きました。
「記憶の宮殿」である自宅の部屋や家具に物を置いていくイメージを作るのは、既にある自宅のスキーマやスクリプトに情報を加えていくことだったのですね。
数字はイメージしやすいものに変換して覚える
全米記憶力チャンピオンのロン・ホワイトが記憶するためのテクニックを紹介していました。
4枚の1ドル札の番号を記憶するのですが、数字をイメージしやすいものと関連づけます。そして、それを自宅の家具の中に置いていきます。記憶の宮殿です。
やってみます。
- 槍(やり)
- ひと。足が二本だから
- 厚揚げ。三角に切っておでんに入れます。
- 猫。足が4本。
- 碁盤
- 六文銭
- ひしゃく(北斗七星)
- タコ
- きゅうり
- ゼロ戦
なんか、ちょっと面倒くさい・・・。
メロディ、韻を使って記憶する
「ブレインゲーム ライバルに打ち勝て!」の中で、名前を覚える方法を紹介していました。
人の名前は 関連するスキーマやスクリプトがないから覚えにくいのですね。
- 佐藤 シュガー
- 武藤 ノンシュガー
何かと関連づければ覚えられるというような話をしていました。
- GIA・・・天才(Genius)
ここで紹介されたので使えると思ったのが、メロディを使って覚えること。
替え歌を作るんです。
- レイチェル、デヴィン、ローラ、アン。
覚えられないですよね。
これをフランス民謡の「キラキラ星」に合わせて歌うんです。
- きらきら星 - Wikipedia "Twinkle, twinkle, little star"
- ドド、ソソ、ララ、ソ~♪
音階で歌わせられたので今でも覚えています。 - レイチェル、デヴィン、ローラ、アン♪
何度か口ずさむと覚えられる気がしてきました。
まとめ
放送大学単位認定試験の結果を閲覧したのですが、「B」や「C」の科目がありました。私は記憶力が悪いようです。
それで、今後の対策として、 「心理学概論 (4)認知についての心理学」で学んだスキーマやスクリプトの構築を意識して学習すれば良いのではないかと考えました。学習時間は長くなりますが、書かれていないことを推論して、書かれていることに関連づけながら理解していくのです。
それと、暗記する必要のあるものは、記憶の宮殿やメロディに合わせて覚える手法も有効だと思います。