シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

Foveon X3 はロータリーエンジンの運命をたどるのか・解像度番長「SIGMA dp2 Quattro」

 

SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro 2,900万画素 FoveonX3ダイレクトイメージセンサー(APS-C)搭載 930257

目次

解像度番長カメラはロータリーエンジンに似ている

面白いカメラを見つけました。SIGMA の「Quattro」シリーズです。

今までこんなカメラがあるのを知りませんでした。欲しくなってしまい、毎日「SIGMA Quattro」情報を見ていました。

レビューを読んでいると、ロータリーエンジンという比喩が出て来ました。SIGMAのカメラは「Foveon X3」という撮像素子を使っています。それがフルサイズの高級機に匹敵するほどの解像度映像を吐き出し、それが小型で高出力のロータリーエンジンに似ているというのです。

それ分かります。中学生時代、ロータリーエンジンの広告を見て、解説冊子プレゼントに応募したことがありました。小型、高出力、低振動を実現したロータリーエンジンにワクワクしたのです。「Foveon X3」にも同じものを感じました。

それと、弱点があるのも似ています。ロータリー車は人気がありましたが、排ガス規制をクリアすることが出来ず、生産されなくなりました。弱点のある「Foveon X3」はこれから勝ち抜いていけるのでしょうか。

「SIGMA Quattro」に興味をもって調べると欲しくなってしまいます。このカメラを買うべきか、整理をしながら考えていきます。

基本構造が違う「Foveon X3」

「Foveon X3」は Foveon社が開発した撮像素子です。構造が今までセンサーとは基本的に違います。「UTAN1985BLOG」に一般的なセンサーとFOVEONセンサーの違いについて、分かりやすい解説がありました。

SIGMA(シグマ)一眼レフ用交換レンズ 体験イベント その4(光と色を捨てず加えないFoveon X3 & SD1の紹介)

  • Foveon社誕生からイメージセンサー『Foveon X3』誕生まで
    創業者はカーバー・ミード(Carver MEAD)氏。カリフォルニア工科大学の名誉教授。
  • Foveon X3と一般的なイメージセンサー(ベイヤー方式)の違い
    説明を読まなくても、図を見れば一発で解像度がいいのはわかります。
    ベイヤー方式
    ピクセルは単一色のセンサーとして動作します。それぞれにフィルターをつけて、緑、赤、青、専用のピクセルにします。50%が緑、赤と青がそれぞれ25%に配置されています。
    緑の面積が半分とうことは、緑に対しての解像度が高くなりそうです。
    緑、赤、青のピクセルを並べる方法はこれ以外にもあり、工夫を重ねてきたのがわかります。
    Foveon X3
    ひとつのピクセルが三つの層に分かれ、それぞれの層を透過した光を信号に変えています。つまり、1ピクセルで緑、赤、青の色信号を作ります。
    三層の様子はWikipedia「Foveon X3 sensor」に図が載っています。

この解説を見るとロータリーエンジンと言いたくなるのがよくわかります。レシプロエンジンは往復運動ですが、ロータリーエンジンは回転運動。爆発回数が2倍で出力が高い。基本構造から違い利点も強烈なのです。

しかし、「Foveon X3」には弱点もあります。日本写真家協会のサイトに紹介されていました。

優れた点
・APS-Cにしてフルサイズをしのぐ圧倒的な解像度とシャープな画質
・カラーフィルターで光情報を損失しない
・フィルターアレイの干渉を隠すための光学的ローパスフィルターが不要
・色補間処理不要
・繊細な解像感・色表現
弱点
・高感度性能
・三層構造のため画像処理が遅くなる

 (「多くの写真家を魅了するSIGMA FOVEONセンサーの特長と魅力 」より)

 Wikipedia「Foveon X3」にも載っていました。

FOVEONでは、色の分離にシリコンの透過特性を利用しているために、色フィルターと比べて色の分離が悪く、正確な色を再現することが難しい。

弱点があるのもロータリーエンジンに似ています。燃費がよくない、排気音が大きくい、そして、排ガス規制をクリア出来なかったのが致命的でした。

カメラには排ガス規制のようなものはありません。「Foveon X3」の感度が悪くても、画像処理が遅くても、販売禁止になることはありません。

弱点を上回るメリットがあればいいのです。「Foveon X3」の魅力は弱点を補ってなお余りあるものなのでしょうか。

「Foveon X3」の弱点

「SIGMA Quattro」は感度が悪いと言います。それなのに「手ぶれ」を補正する仕組みもありません。どれだけ感度が悪いのか、他のカメラと比較してみます。

  • SIGMA dp Quattro ISO100~6400
    ヨドバシ「実写インプレッション [dp2 Quattro]」に14段階それぞれの画像があります。「ISO800程度までであれば何の不満も感じない雰囲気です」とのこと。
  • SONY NEX-5N ISO100~25600
    私が現在使っているカメラ。
  • RICOH GR III ISO100~102400
  • SONY α7R III ILCE-7RM3 標準:ISO100~32000 拡張:ISO50~102400
  • SONY α7S II ILCE-7SM2  
    標準:ISO100~102400 
    拡張:ISO50~80、128000~409600

SIGMA Quattro はどこでも気軽に撮影できるカメラではないようです。
フィルムカメラのときに使っていたのはASA100のフィルム。高感度のものもあったようですが、使ったことはありません。それを思えば、ISO100~6400は高感度なのですが・・・。

さらに、動画は撮影できませんし、WiFiなどのネットワークにも対応していません。

現像ソフトを自作している人のグチも見つけました。

奇妙なLCDビューファインダー

SIGMA dp2 Quattro」が欲しいな。買うなら最初からLCDビューファインダーが付いているモデルがいい。そう思ってLCDビューファインダーキットモデルをみると奇妙な形をしていました。

SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro LCDビューファインダーキット

SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro LCDビューファインダーキット

 

単体だとこんな形です。

 

SIGMA LCDビューファインダー LVF-01 931209

NEX-5N用に電子ビューファインダー(EVF)を購入したことがあります。形はこんなのです。ずいぶんと形が違います。これはどういうことなのでしょうか ?

ソニー SONY 電子ビューファインダー FDA-EV1S

ソニー SONY 電子ビューファインダー FDA-EV1S

 

そうしましたら、価格.com に謎が解ける画像が投稿されていました。

review.kakaku.com

 『スライドして脱着可能』。

ソニーの電子ビューファインダーには中に高精細の有機ELが入っています。

しかし、シグマのLCDビューファインダーはローテク。本体背面の液晶に覆いを被せ、レンズで焦点を合わせているのです。原理的には手で覆って光が入らないようにしたのと同じ。「一方ロシアは鉛筆を使った」のエピソードみたいじゃないですか。

ボール紙や手を使えば、自分でもなんとかならないか? そう思えてしまうところがとても好きです。

ただ、そんなにシンプルなのに値段が高い。

  • ソニー電子ビューファインダー FDA-EV1S
    希望小売価格 33,000円+税
  • SIGMA LCDビューファインダー LVF-01 931209
    参考価格: ¥ 39,960

シグマのLCDビューファインダーはがらんどうのプラスチックの箱。度数を調整するレンズがあるものの、高価過ぎると思います。

コンセプトは好きなんですが・・・。

Foveon X3 はどこへ行くのか

癖の強い Foveon X3。これから勝ち抜いていけるのでしょうか。

2016年12月20日。今までの撮像素子「APS-C」よりも少し大きい「APS-H」を使用したミラーレス一眼「SIGMA sd Quattro H」を発売しました。

  • APS-C 23.4mm×15.5mm
  • APS-H 26.7mm×17.9mm

こんなブログを見つけました。

「APS-C」モデルと「APS-H」モデルを比較し、もうすぐフルサイズ判の sd Quattro F が発売されるのではないか、と言っています。

「実際に両ほうを使ってみたけど、写りも操作感も"ほとんど"違いがわからない」、「最高連写コマ速度がより高速」になったそうです。有効画素が 2950万から3860万(130%)に増えたのに、1秒の間に連写できる速度が「3.7コマ」から「4.4コマ」に増えているのです。

「新型FOVEON」の特許を見つけた人がいます。

 価格.com - シグマ SIGMA sd Quattro H ボディ のクチコミ掲示板

  • 今までは、1ピクセルが青・緑・赤の3層。
    新型は「Foveon X3」と「ベイヤー方式」の中間のような「青・緑の2層」と「緑・赤の2層」を組み合わせたもの?
  • 感度やノイズが改善されると期待する人。
    操作性・感度を犠牲にしても高解像度一本で勝負して欲しいという人。
  • 特許の内容は2層式を意図したものではないと解説する人。
    (連休中で特許サイトがメンテナンスされており、見えない)
  • 新型フルサイズFoveonセンサー搭載のカメラは2020年以降。

ロータリーエンジンを搭載した「マツダ・RX-8」は2012年6月で生産を終了し、現在は水素ロータリーエンジンを搭載したモデルが開発されています。「マツダ・RX-8」は復活するのでしょうか。

さて、Foveon X3 はどこへ行くのでしょう。SIGMAのカメラが魅力的なのには変わりありません。

「SIGMA Quattro」を使った写真を見ると欲しくなりますが、みなさん腕がよくてRAW撮影をしっかりされている。

私だと、iPhoneの方が綺麗に撮れたりするので要注意です。 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

「SIGMA dp2 Quattro」を買おうかと考えているのですが、ご意見を聞かせて貰えれば嬉しいです。

おまけ