シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

ChatGPTが解説!映画評論家・佐藤忠男さんの「任侠について」の要約と分析

目次

私のバイブル「任侠について」

Googleドキュメントに『大衆文化の原像』からスキャンした佐藤忠男さんの評論「任侠について」がありました。「任侠について」は、私が佐藤忠男さんの大ファンになる切っ掛けになった評論で、なんとかこんな論文を書きたいと構成を分析したこともあります。

今、アマゾンを確認しましたら、『大衆文化の原像』を2回買っているようです(笑)。

工場で働きながら『映画評論』の読書投稿欄に映画評を盛んに投稿。また、1954年に『思想の科学』に大衆映画論「任侠について」を投稿し、鶴見俊輔の絶賛をうける。1956年刊行の初の著書『日本の映画』でキネマ旬報賞を受賞。1957年に『映画評論』の編集部員になるよう誘われ、上京する。

(Wikipedia「佐藤忠男・来歴・生い立ち」より)

「任侠について」を読んでみたくなり、検索すると国会図書館で見つかり、『現代日本映画論大系』の中にあることが分かり、購入して読みました。

度肝を抜かれました。映画評論というと感想を述べたり、裏話だったり、芝居や映像の解説だったりするのですが、任侠映画から日本人の思想背景をさぐり、問題点指摘しているのです。

そんな「任侠について」のテキストが再発見されましたので、今話題のChatGPTに「要約」、「分析」して貰おうと考えました。

8000文字以上のテキストを要約・分析依頼

「任侠について」は8000文字以上あります。巨大テキストのプロンプトをGPT-4に送るとエラーになります。プロンプトに入力するテキストが大きすぎる場合の対処方法をGPT-4に聞いてみると、5つの方法を提案してきました。

現実的なのは「テキストの分割」のようですが、以下のような注意も指摘されました。

大きなテキストを複数の小さな部分に分割し、それぞれの部分を個別に送信して回答を得ることができます。ただし、分割したテキスト間の文脈が失われることがあるため、注意が必要です。

今回は以下のように分割してテキストを送信しました。

これから文章を分割して送ります。

これから文章を分割して送ります。
後で、その文章を「要約してください」といいますから、今回は受領だけしてください。
分かったら「はい」とだけ返事してください。
《送付文書のタイトル》:「仁俠について」

《送付文書1》: """

 {1779文字}

"""

分割して送る文章の2回目です。
後で、その文章を「要約してください」といいますから、今回は受領だけしてください。
分かったら「はい」とだけ返事してください。
《送付文書2》: """

 {1922文字}

"""

(略)

「分割して送る文章の4回目です。」までやった。

ChatGPTが「任侠について」を要約

今まで送った文章の最も重要な点を箇条書きにして要約してください。

  1. ヤクザ物語は日本の大衆文化の一部であり、伝統的な価値観や感情を反映している。
  2. ヤクザ物語のキャラクターは孤独な旅烏や孤独でないヤクザなど、さまざまな類型が存在し、大衆のカタルシスを提供する。
  3. ヤクザ物語は支配者にとって害のない存在となり、親分子分のモラルは封建時代の感情の安全弁として機能している。
  4. 社会の暗さはヤクザ物語の需要を増やし、大衆のセンチメンタリズムやニヒリズムを反映している。
  5. ヤクザ物語には危険な傾向があり、例えば清水次郎長一家の物語はファッシズムの模型として現れている。
  6. 近代的な思考を持つ人々はヤクザ物語に興味を持たないが、大衆の多くは依然としてヤクザ物語を愛し続けている。
  7. インテリと大衆の間に理解のギャップがあり、インテリはヤクザ物語を軽蔑し黙殺する一方、ファンたちは意識しないままヒロイズムからニヒリズム、さらにファッシズムへと遍歴を続ける可能性がある。
  8. この状況を放置することはできず、現代社会とヤクザ物語の関係性を批判的に考察する必要がある。

「最も重要な点」をなくすとどうなるのでしょう。

今まで送った文章を箇条書きにして要約してください。

  1. ヤクザ物語は日本の大衆文化であり、歴史的背景を持つ。
  2. ヤクザ物語には孤独な旅烏と孤独でないヤクザの2種類が存在し、それぞれ大衆にカタルシスを提供する。
  3. ヤクザ物語は支配者にとっても害のない存在となり、封建時代の庶民の感情の安全弁として機能している。
  4. 社会の暗さがヤクザ物語の需要を増加させる一因である。
  5. ヤクザ物語には危険な傾向も存在し、例として清水次郎長一家の武勇伝がファッシズムの模型となっている。
  6. 孤独なヤクザたちと次郎長一家のヤクザたちの違いを指摘。
  7. 義理人情を重視する言葉に反発できる近代的な思考を持つ人たちはヤクザ物語に関心しないが、大衆の多くはそれを愛好し続ける。
  8. インテリはヤクザ物語を低俗なセンチメンタリズムや安価なヒロイズムと軽蔑し、黙殺する傾向がある。
  9. ヤクザ物語のファンたちは、国定忠治のヒロイズムから平手造酒のニヒリズムへ、そして清水次郎長のファッシズムへと、無言のうちに遍歴を続けている可能性がある。
  10. この現象を見逃すわけにはいかないと作者は主張する。

どちらも、要点は伝わっているように思います。

論文の要約と小説の要約

論文は構造が明確です。それに比べて小説は構造が論理的ではないですから、ChatGPTは要約が苦手なのではないかと思いました。それで、こんな質問をしてみました。

論文の要約と小説の要約では、どのように違いますか? ChatGPTの苦手、得意を考慮して比較してください。

論文の要約と小説の要約は、それぞれ異なる目的とスタイルのため、異なるアプローチが必要です。ChatGPTは、両方のタイプの要約に対応できますが、それぞれに得意・苦手な点があります。

論文の要約:

  • 目的:
    主な研究目的、方法、結果、結論を簡潔に伝えることが重要です。
  • ChatGPTの得意点:
    論文は通常、構造化されたフォーマットで書かれており、明確なセクションがあります。このため、ChatGPTは重要な情報を抽出しやすく、要約に適した形で提示できます。
  • ChatGPTの苦手点:
  • 専門的な知識や複雑な研究方法を正確に理解するのは難しい場合があります。そのため、要約が専門的な背景を持つ読者にとって十分に正確で包括的であるとは限りません。

小説の要約:

  • 目的:
    小説の主要なプロット、登場人物、テーマ、および構造を簡潔に伝えることが重要です。
  • ChatGPTの得意点:
    小説の主要な登場人物やプロットポイントを抽出し、ストーリーの概要を作成するのが得意です。また、物語のテーマやトーンを概説する能力もあります。
  • ChatGPTの苦手点:
    小説は一般的に非線形であり、細かいニュアンスや登場人物の心情、繊細な文学的表現が含まれることがよくあります。これらの要素をすべて正確に捉え、要約に組み込むことは、ChatGPTにとって難しい場合があります。また、長い小説に対して、プロンプトの文字制限のため、十分に包括的な要約を提供することが困難な場合があります。

結論として、ChatGPTは論文と小説の両方の要約に対応できますが、それぞれに得意・苦手な点があります。論文では専門的な知識や複雑な研究方法を理解することが難しく、小説では細かいニュアンスや非線形な構造を正確に捉えることが難しい場合があります。

適切な小説の要約を得たい

小説の本文以外に付加情報を送れば、より良い要約を作ってくれるのではないかと考え、聞いてみました。

「小説の文章をだけを送る場合」と「小説の文章、登場人物、背景、テーマなどの付加情報も送った場合」では要約の結果はどのように違いますか?

小説の文章だけを送る場合:

  • ChatGPTは、送られた文章から情報を抽出し、それに基づいて要約を作成します。
  • 文章に含まれる情報が限られているため、要約は文章の中心的なアイデアや登場人物に焦点を当てることが多くなります。
  • 文脈が不足しているため、全体的なストーリーやテーマに関する洞察が欠けることがあります。

小説の文章、登場人物、背景、テーマなどの付加情報も送った場合:

  • ChatGPTは、提供された情報を利用して、より包括的で正確な要約を作成することができます。
  • 付加情報があることで、文脈や背景に関する理解が深まり、ストーリー全体の概要をより適切に提供できるようになります。
  • 提供された情報に基づいて、テーマや登場人物の関係性、物語の進行など、より詳細な分析が可能になります。

結論として、付加情報が提供されると、ChatGPTはより包括的で正確な要約を作成できるようになります。一方で、文章だけを送る場合は、情報が限られているため要約がより一般的で、全体的な文脈や背景に関する洞察が欠けることがあります。

今度、やってみましょう。

ChatGPTが『任侠について』を論じる

私はこの『任侠について』を読んでから、佐藤忠男さんの大ファンになりました。2023年3月に91歳で亡くなりましたが、私は大きな影響を受けました。私に代わって『任侠について』を論じてください。

『任侠について』を論じる

『任侠について』は、映画評論家・佐藤忠男さんが書いた卓越した評論であり、多くの人々に影響を与えています。佐藤さんは、映画やヤクザ物語を通じて、日本社会の暗部や人々の心情を緻密に分析しています。彼の見解は、今日でも有益であり、私たちが社会や映画の関係を理解する上で大変役立ちます。

  1. 『任侠について』の分析の核心
    佐藤さんの『任侠について』は、ヤクザ物語や任侠映画が持つ特性を鋭く捉え、それらが日本社会にどのような影響を与えているかを分析しています。彼は、ヤクザ物語が人々のカタルシスを提供する一方で、支配者にとっても害のない存在となっていることを指摘しています。また、それらの物語が、時代の変化とともに進化し、現代社会の問題や価値観とも結びついていることを示しています。
  2. ヤクザ物語と日本社会の関係性
    佐藤さんは、ヤクザ物語が日本社会の歴史や文化に深く根ざしていることを示唆しています。彼は、ヤクザ物語が日本の伝統的な道徳観念や義理人情を映し出しているとともに、そのような価値観が時代とともに変化していく様子を描いています。この点から、ヤクザ物語が日本社会の変遷を映し出す鏡であると言えるでしょう。
  3. 佐藤忠男さんの影響力
    佐藤さんは、『任侠について』を通じて、映画や物語の背後にある社会的な意義を掘り下げ、それらが持つ深い洞察力を読者に示しています。彼の分析は、映画評論の枠を超え、社会評論や文化研究にも通じるものがあります。そのため、佐藤さんの考え方や洞察力は、映画ファンだけでなく、社会全体に大きな影響を与えています。

  4. 佐藤忠男さんの遺産
    佐藤さんが2023年3月に91歳で亡くなりましたが、彼の著作や評論は今後も長く読み継がれるでしょう。彼の緻密な分析や深い洞察力は、映画業界や社会研究に対する貴重な資産となっています。今後も、佐藤さんの遺した知恵が、私たちが社会や映画に対する理解を深める手助けとなることでしょう。

まとめ

佐藤忠男さんの『任侠について』は、ヤクザ物語や任侠映画の分析を通じて、日本社会の歴史や文化に対する深い洞察力を示しています。彼の著作は、映画評論の枠を超え、社会や文化研究にも通じるものがあり、多くの人々に影響を与えています。今後も、佐藤さんの遺した知恵が私たちの理解を深める手助けとなることでしょう。

シロッコの感想:見事で頭が下がります。
Orz(拝んでいるつもり)

最後に

今回は、私のバイブルである「任侠について」を再発見したことから、そのテキストをChatGPTに要約や分析を依頼しました。

その過程で以下のことが分かりました。

  1. 大きなテキストを分割して送信する方法
  2. 論文と小説の要約の違い
  3. 小説の要約は付加情報を加えると得られる精度が上がる。

ChatGPTはウソもつきますので、8割くらい信じましょう。

ChatGPTは、テキストを分割しても適切な要約を提供することができ、私が大ファンである佐藤忠男さんの『任侠について』についても見事に論じることができました。

ChatGPTの驚くべき能力に改めて感銘を受けました。

AIは後もますます私たちの日常生活や知識の獲得方法に大きな影響を与えることでしょう。

私たちの学び対するアプローチも、ChatGPTを使いこなすことが求められるのだと感じました。

今回のブログ記事が、ChatGPTの活用方法や可能性について新たな視点を提供できることを願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは失礼します。