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- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: DVD
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実際のプロファイリングとの違いについて考察せよ
放送大学で学んでいます。「心理学概論」は来学期に履修することになっているのですが、15章あるうち8章まで学習が進みました。
学習方法はこんな感じです。
- メモを取りながら放送教材を視聴する。
- 重要そうなキーワードと文章に線を引きながら印刷教材を読む。
あとは、単位認定試験対策として、キーワードを拾い出してプレゼン資料みたいなものを作れれば良いかなと考えています。さて、うまく行きますかどうか。
「6章 犯罪についての心理学」に『羊たちの沈黙』のようなプロファイリングが登場する映画やドラマを見て、実際のプロファイリングとの違いについて考察をしてみようという学習課題があります。
それで、DVD『羊たちの沈黙』を見て、プロファイリングについて書いてみました。人に教えるのが一番勉強になるっていいますから。
『羊たちの沈黙』はアカデミー賞5部門を独占しました。しかし、まだ見ていませんでした。映画は面白いと思います。でも、連続猟奇殺人事件の映画を見ても心が豊かになることは期待できないと考えたからです。
「プロファイリング」ってなに?
犯罪に関する心理学には目撃証言の信頼性に関する研究のような実験によるものもあります。しかし、実際に犯人検挙に結びつく実験は考案されていません。そこで、過去のデータなどを分析して、犯罪捜査に役立ようとするのがプロファイリングです。
「プロファイリング」という言葉そのものは犯罪捜査ばかりではないようですね、検索すると、恋愛を行動科学的に分析して役立てる「恋愛プロファイリング」なんて言葉もあるようです。
「犯罪心理学」の面白いサイトを見つけました。
「みんなの犯罪心理学」。 大学・大学院・独学を合わせて10年ほど勉強している方が書いているそうで、引用文献もしっかり記述されていて、信頼性があり読み応えのあるサイトです。
ここに「性的殺人の類型(FBI)」という記事があります。これがプロファイリングの始まりです。
しかし、この方法は分析に曖昧なところが多く、分析者の技量や経験に負うことが多かったので、科学的でないと批判されました。
それで出て来たのが「リバプール方式」と呼ばれるものです。「おまけ」から先の部分に記述されています。
『羊たちの沈黙』はどんな映画か
映画はFBI訓練生の若い女性クラリスがクロフォード主任捜査官に呼ばれ、任務を依頼されるところから始まります。
クラリスはこんな人。
- 主人公はFBI訓練生の若い女性クラリス。
訓練生の成績はトップクラス。上司がバージニア大学の教授だったときゼミにいたことから仕事を依頼されます。犯罪学と心理学を専攻。現在は教授の行動化学課で働きたい希望があって、FBIの訓練生になった。
クロフォード主任捜査官は困っています。女性を誘拐して皮を剥いで殺害する連続殺人事件が起きています。その犯人を逮捕するために監禁中の凶悪殺人犯たちの心理分析をして手がかりを得たいのですが、協力しない男がいるからです。それがハンニバル・レクターです。
- ハンニバル・レクター
狂気の天才精神科医。患者など十数人を殺して臓器や肉を食べた。あまりにも狂暴で危険なため、普通の囚人とは違い特別に管理されている。
「昔、国勢調査員が来た時、そいつの肝臓を食ってやった。ワインのつまみだ」
このハンニバル・レクターには実在したモデルがいるそうで、以下のリンクみると異常さが伝わってきます。
なぜ、主任捜査官がクラリスに心理分析を依頼するのか
人肉事件の犯人ですけれども、若い女性なら少しは話してくれるかも知れないと考えたからですね。若く美しい女性とアンソニー・ホプキンス演じる狂気の中年男。その方が映画として面白いからなんでしょうが、考えてみるとかなり無茶です。自分が出来ないことを女性の教え子にやらせるんですから。
レクターの狂気ぶりとその異常とも思える厳重な管理方法。クラリスがそのレクターからいろいろと聞き出そうとします。
クライマックスは犯人のバッファロー・ビルを追い詰め、誘拐された女性を助け出せるかというサスペンス。
感想を見ていたら「どこが面白いんだ」という人を見つけました。私からすると、感動して何度も見たいと思う心あたたまる映画ではないのですが、緊張感のあるシーンが続く見ごたえのある映画だと思うんですがね。
実際のプロファイリングとはどう違うか
この映画は犯罪心理学によるプロファイリングの知識や技術が多く利用されていると言われています。しかし、クラリスがレクターから聞き出しているのは「プロファイリング」ではありません。
レクターは狂気の天才精神科医です。犯罪心理学の専門で多数の犯罪データがある訳ではないのです。プロファイリングの情報を持っているとしたら、文献で読んだことのある記憶くらいでしょう。それならクロフォード主任捜査官の方が詳しいはず。プロファイリングは「こういう犯罪の犯人はこういう人間が多い」という統計学なのですから。
Wikipediaにこんな記述があります。
プロファイリングというものは事件を解決するものではない。個人を特定するのではなく、確率論的に可能性が高い犯人像を示すものであり、捜査を効率的に進める支援ツールである(当然、プロファイルに当てはまらない人間が犯人である事もあり得る)。そのため、ドラマにあるような一人のプロファイラーが犯人を特定し逮捕するようなことはない。
(Wikipedia「プロファイリング」より)
これが映画と本物のプロファイリングの違いです。
レクターがバッファロー・ビルの犯人像に迫れるとしたら、自分も狂気の連続殺人犯だという共通性から自分を分析すること。しかし、それはプロファイリングと呼べるものではありません。
犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る (DOJIN選書 17)
- 作者: 越智啓太
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 単行本
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