シロッコ手習鑑

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シロッコ手習鑑

高卒シニアなのに臨床心理士になりたいと思い立って放送大学生になりました。

オープニングから度肝を抜かれた。サム・ペキンパー監督「ゲッタウェイ」の感想

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※ネタバレ注意

目次

「ゲッタウェイ」とはどんな映画なのか

TOHOシネマズ 市川コルトンプラザ・午前10時の映画祭でサム・ペキンパー監督「ゲッタウェイ」を見てきました。

原題は「The Getaway」。

刑務所を裏取引で出所したドク・マッコイ(スティーブ・マックイーン)は、それと引き換えに取引相手ベニヨン(ベン・ジョンソン)の要求で妻キャロル(アリ・マッグロー)と共に銀行強盗に手を染める。
企ては何とか成功するが、2人は途中で裏切ったルディ(アル・レッティエリ)、警察、ベニヨンの弟の三者に追われる羽目になる。

 (Wikipedia「ゲッタウェイ」より)

警察と裏切った仲間から追われて逃げます。マッコイと妻のキャロルが逃げるのですが、その二人の夫婦関係が変化します。

キャロルが刑務所から夫を出すために組織の実力者と関係を持っていたことを知り、マッコイは怒ってキャロルを殴ります。それがメキシコへ逃げようとするうちに修復されていきます。

その二人の関係のクライマックスがゴミ山の中であります。逃げるうちにゴミ収集車の中に入ってしまいゴミ山に吐き出されたのです。

「これは遊び(ゲーム)じゃないんだ」とマッコイ。

「全部ゲームよ」

私はキャロルに賛成なのかも。人生は全部ゲームのようにも思えます。

ラスト近く。国境を越えるために車を奪い運転させた警察嫌いの初老が「二人で幸せに暮らせ」と説きます。二人は幸せになるんだろうなというところで映画は終ります。逃走しているうちに何人もの人を殺してしまったのですが、平穏な終わり方です。

もう一組の男女関係も描かれます。銀行強盗のときにルディが裏切ってマッコイを殺そうとしたことから、マッコイがルディを撃ちます。しかし、防弾チョッキで命を拾い、マッコイに復讐しようと追います。

そのルディが夫婦を銃で脅します。獣医の夫に車を運転させ、妻には性的サービスをさせる。ホテルでは夫を椅子に縛りつけ、妻を犯す。そういう関係が何度か続きます。チャラチャラしたあまり賢そうではない妻なのですが、妻の気持ちがルディへ移ったことを知っったことから、気の弱そうな獣医は首を吊るのです。

その気持ちの変化の描き方も見事です。車の中でのリブをむしゃぶりながら妻になげつけ、からかうルディ。微妙に気持ちが通じているように見えます。ベッドの中で妻はルディの銃をもてあそんでいる、つまり、銃でルディを攻撃してこの危機から逃げるチャンスがあるのに放棄しているのです。

銀行強盗をしたマッコイ夫婦は破綻しそうな関係からだんだん修復されていく、それに比べて善良な気の弱い獣医師夫婦はギャングの暴力から破綻していく。何というドラマの配置なのでしょう。世の中はそんなもんだよ。そう、サム・ペキンパーが言っているようでもあります。

 

このリズミカルな機械音はなんだ?

オープニング。

鹿がのんびりと草を食んでいる。その向こうに刑務所の監視塔が見えてくる。羊の鳴き声でしょうか、メェーと聞こえてくる。

暫くするとリズミカルな機械音。ダッダッ、ダッダッ・・・。ずっと音は続く。

スティーブ・マックイーンの刑務所での生活が描かれるショットに刑務所役人の会話がかぶる。

ダッダッ、ダッダッ・・・と音は続いている。

スティーブ・マックイーンが歩いてきて、音の出ていた機械を操作する。そう、この音は布を織る機械から出ていたのだ。

スティーブマックイーン演ずる服役囚のマッコイ。機織り機の音、釈放を決める会議の会話、マッコイを愛撫する妻のキャロル(回想)が重ね合わされている。

ストーリーとしては、彼が誰かの計らいで刑務所から出所して妻と再会するというくだり。それだけが分かれば良い部分です。音と映像のずれ。連続する謎の機械音への興味・・・と見事に映像化されています。これが映画というものなのだと感心しました。

サム・ペキンパー。名前は聞いたことがあります。この展開、この演出が素晴らしいとみなさん言っているのですね。

Yahoo!の 映画レビューで興味深いのを見つけました。

「巨匠の映画って疲れるから嫌なんだよなぁ」

と敬遠していたが

淀川長治先生が「この映画は教科書、映画好きは皆三十回は観ている」
と言っていたので

「一回くらいは観てみようかな」と、思って、手を伸ばしてみた

 (Yahoo!映画ユーザーレビュー「 終わったところが終わり」より)

淀川長治さんはこの映画が大好きだったそうです。ビートたけしさんはサム・ペキンパー監督が好きだそうで、なるほど、って思いました。

銀行強盗のサスペンス。途中でコインロッカーに預けた現金を奪われ、取り戻すエピソード。警察との逃亡劇はどれも見事です。

TV映画『ガンスモーク』、『ライフルマン』

Wikipediaの「サム・ペキンパー」を見て懐かしいタイトルを見つけました。

第二次世界大戦では海兵隊として従軍する。戦後南カリフォルニア大学に入学し、そこで演劇を学んだ。卒業後しばらく舞台演出家として活動する。その後テレビ局の裏方としてスタジオに入り、ドン・シーゲルのもとに弟子入りする。『ガンスモーク』、『ライフルマン』、『風雲クロンダイク』といった脚本がテレビ局に買われ、西部劇のテレビシリーズのディレクターになった。

 (Wikipedia:「サム・ペキンパー」より)

『ガンスモーク』は名前を聞いたことがある程度ですが、『ライフルマン』は私が子供時代によく見たTV映画です。ずっと昔にサム・ペキンパー作品を見ていたんですね

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ライフル銃を連射するチャック・コナーズ。そして「ザ・ライフルマン!」

今みてもカッコいいです。Youtubeに動画が何本かありますが、ライセンスが怪しいです。

 私は日本のTV放送が始まった年に生まれました。家でTVを購入したのは小学生のときですが、当時のドラマは半分くらいはアメリカのものだったのです。私のこころには古き良きアメリカの理想が植え付けられているような気がします。

まとめ

巨匠と言われるサム・ペキンパー監督の「ゲッタウェイ」を見ました。

見事なストリー展開、サスペンスで手に汗を握る展開で充分映画を堪能出来ました。

午前10時の映画祭の「こぼれ話」にスティーブ・マックィーンが様々なシーンのアイディアを提案してS・ペキンパー監督を感心させたが、意見がぶつかることもあったと紹介されています。

意見がぶつかっても妥協しない映画好きのスティーブ・マックィーンにもほれぼれしてしまいました。

 

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