(画像提供はphoto-ac)
目次
- ドルコスト平均法 VS 一括投資
- ドルコスト平均法はリスクに晒されている時間が短いだけ
- 現実のデータを検討してみる
- なぜ右肩上がりなのか
- 擬似のデータで検討してみる
- 現実には、私はどんな運用をしたのか
ドルコスト平均法 VS 一括投資
今年の2月からインデックスファンドの積み立てをはじめました。その積み立てを始めるまでのいきさつを書いたブログ『投資入門(4) 「インデックスファンド積立を始めるために読んだ3冊の本」』に「はてなスター」がついていました。
スターをつけたのはどんな人なのか?
サイトを訪ねると投資に夢中という女性の方でした。
この方の記事で興味があったのは、「投資信託100万円分買ってみる」。春から毎月3万円を投資信託に積立ていたのを一括投資に路線を変更したというのです。
そこで積立はやめて、100万円分ドドーンと購入するという、我ながら思い切った行動に出ました。
理由は、山崎元さんの「全面改訂 超簡単 お金の運用術 」を読んで、考えが変わったからだそうです。
私も、山崎さんが「サクっと一気に買ったほうがよい」と、言っているのは気になっていました。
そこで、「ドルコスト平均法 VS 一括投資 ・インデックス投資に向いてるのはどっち」なのかを考えてみることにしました。
ドルコスト平均法はリスクに晒されている時間が短いだけ
山崎さんは、「ホンネの投資教室」・「第180回 ドルコスト平均法について整理する」の中で、次のように言います。
- リスクに晒されている時間はドルコスト平均法が短く、一括投資が長い。
- どちらもリスクに対するリターンは同じ。
- 下げ相場であれば一括投資が不利。上げ相場ならドルコスト平均法が不利。
そして、「ドルコスト平均法で起こりうる3つの弊害」として次の三つを挙げています。その弊害に対して、私がどう考えているのかを書き出してみました。
- 機会損失の発生
一括投資と比較してリターンがかなり低くなります。しかし、一括投資したとたんに暴落があってはたまったものではありません。(私の心配)
- 支払い手数料の増加
私が投資しているのは、販売手数料無料を意味する「ノーロード投資信託」なので、売買回数による手数料の差はありません。 - 一つの対象に対する集中投資によるリスク増加
山崎さんは、自主廃業になった山一證券の社員持株会の例をあげています。私は、日経255、TOPIX、MSCIコクサイ、MSCIエマージングと日本、外国債券に分散して積み立てていますので集中投資によるリスクは少ないと考えられます。
3つの弊害について考えてみますと「機会損失の発生」が一番の問題だと分かりました。このことについて更に詳しく検討してみます。
現実のデータを検討してみる
現実のデータを比較する例として「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を検討してみます。このファンドを選んだのは、かなり広く投資先が分散されていて、現実の投資に近いからです。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの評判・評価
「ノーロード投資信託ガイド」による詳しい解説です。世界30カ国以上の株式と10カ国以上の先進国債券に分散投資。株式と債券に50%ずつ。世界各国の時価総額に応じて投資比率が決められているのが分かります。
- セゾン バンガード・グローバルバランスF
リンク先のモーニングスターのチャートを見てみましょう。2007/03/15から現在までの基準価格が分かります。下部の年が表示されているところにある四角い枠の右と左のボタンを移動すると表示する期間を調整できます。
モーニングスターのチャートを見ると、2008年のリーマンショックが回復し始めた2012年からは右肩上がりの成長をしています。 ですから、もし、ピークで一括投資をしてしまっても、基本的には回復して購入した価格を上回っています。
- 2012/03/21:8,249円で購入しても12月には上回っています。
- 2013/05/23:10,954円・・・・11月には上回っています。
- 2015/06/04:14,107円・・・・中国株暴落ショックまだ回復していいません。
なぜ右肩上がりなのか
インデックスファンドは基本的に右肩あがりです。ひとつの会社の株ならば予想もしないライバルが出現して業績が悪化、最悪は倒産して株が紙切れになることもあるかも知れませんが、上場している会社全部がなくなることは考えられないのです。
- 株式には配当があり、それが再投資される。
- 世界中の株を全部買うイメージですから、全体としては会社が成長して株価が高くなります。
- 2012年から円安が進んでいます。そのことが相対的に海外資産の価値が高くなったように見えていることも右肩上がりの原因です。もし、円安に向えば海外資産の価値は減少する方向に進むことになります。参考:『いま急激な円高が来たら景気も投資家も「終了」』
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはリーマンショックによる暴落のあと、5年くらいでの回復しています。2012年から円安に向かっていることも、回復した要因のひとつです。(外国為替市場は、通貨の価値が16年周期で大きく変動するケースが目立つ)
擬似のデータで検討してみる
下の表は「セゾン バンガード・グローバルバランスF」を2月に一括投資した場合の11月5日の評価額と毎月一定金額を積み立てた場合の評価額を計算して比較したものです。
(2月から現在までを計算したのは、私が2月にインデックス投資を始めたから)
中国株の暴落で世界株安がありましたが、一括投資のほうが評価額が高いのがわかります。
2014年12月8日にピークがあり、やや下がったのが2015年の2月です。その時期に一括投資が出来れば、絶好のタイミングだったのですね。残念・・・Orz
(※計算は0.69%の信託報酬を考慮していません)
現実には、私はどんな運用をしたのか
私がインデックスファンドの積み立てを始めたのは2015年2月です。一定金額を積み立てていましたが、このまま順調に伸びることはなく、遠からず暴落があると予想していました。
- 8月に暴落。まだ積み立てたのは保有資金の1/3くらいでしたから、シメシメと思いました。リバランスをする感覚で下がり具合の大きいファンドに資金投入。
- このまま積み立てを続けるつもりでしたが、9月に底を打ったという話を聞いて、さらに資金投入。
- 結果的に現在は+1.2%くらいの運用成績です。
これからもっと下がるのでは? そんな心配があるとき、「下がればもっと買えばよい」とドルコスト平均法は不安を打ち消してくれます。
初心者はしばらくドルコスト平均法でいきます。
(始めるのが早かったみぞれさんに負けています・・・Orz)