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体調不良はブリッジに使われている金属のアレルギーから?
歯医者さんとトラブルになったことがあります。私が頸椎ヘルニアの手術をする前ですから、もう10年以上も前のことです。
そのころの私は体調が悪くて色んな医者にかかっていました。長時間PCに向ったり、本を読もうとすると気持ちが悪くなる。季節の変わり目に寝込む。異常に肩が凝る。原因が分からなくて本当に困っていました。
そんなとき、「あれ? この症状ってオレに当てはまってない」と思えるTVの健康番組に出会いました。NHKで、歯科治療に使われる金属がアレルギーの原因になることがあるという話です。金属は水分があると金属イオンになって溶け出します。それが免疫が過剰反応を起す原因になるというのです。
NHKに出演した歯医者さんを調べて受診。もう、そのころは体調不良から脱出したくて必死でした。
- 金属の周りの歯茎が白くなっている
- 口内炎がなかなか治らない
これが該当すると思ったんです。
診察を受けると、アレルギーとは違うのではないか、歯が汚いからとりあえず綺麗にする、ブリッジを外してみるのも選択肢のひとつだということでした。今にして思うと、わざわざTVに出演した歯医者さんを訪ねるほどのことではありませんでした。そのころは原因不明の症状で、なんとかしたいと必死だったのです。
会社の近くにある歯医者さんに行った
歯を綺麗にしたり、ブリッジを外すのはどこの歯医者さんでも出来ますから、職場に近い歯医者さんに行きました。私の担当になったのは院長ではなく勤務歯科医師。
何度か通院して歯を綺麗にし、ブリッジを外すということになりました。
椅子を倒して歯茎に麻酔を注射します。ブリッジを外すのはどんな感じなのか・・・不安の中、覚悟していると、歯医者さんが予想していなかったことを話し出します。
「独立開業することになり、私はこの歯科医院を退職することになりました。次回からは〇〇が担当します」
「・・・」
あれ、それはないんじゃないの?
退職するから、担当が変るのは仕方がないとしても、治療を始めて麻酔をかけて作業をしながらする話ではないでしょう。
私は説教を始めてしまい、さらには「信頼できないのであなたの治療は受けません」と宣言してしまいました。
それから、治療費は支払わなくてもよいということになり、私は麻酔が効いているのに治療もしないで帰ってしまいました。*1
今になって考えてみると、タイミングが悪かったですね。麻酔が効いてきて、今度はどうなるんだろうと不安に構えている。そこに、「担当が変わります」ですから。
これが治療が始める前や治療のあとだったら、そんなでもなかったかもしれません。
なんで怒ったんだっけ?
そのとき私はかなり腹が立っていて、ひどい歯医者だと思いました。
しかし、今になって考えてみると、あの怒りは何だったのだろうとも思います。もっと若くて気が弱いときだったら、治療を続けていたかも知れません。
なぜ、私は腹が立ったんでしょう。
怒りは、人間の原初的な感情の一つで、様々な要因・理由で起きるものである。様々な説明の方法があるが、冒頭の説明を別の角度から説明すると例えば、怒りというのは「危険にさらされた」という意識・認識に起因している、と説明できることは多い。「危険にさらされた」というのは、身体的なこと、有形なことがらに限らず、自尊心や名誉などの無形のことがらまで含まれる。(Wikipedia:「怒り」より)
「危険にさらされた」という意識・認識に起因している、 自尊心や名誉。
なるほど。私の心理が適格に説明されてますね。若いときなら治療を続けていたかも知れないと思うのは、それだけ守るべき自尊心や名誉が少ないからかも知れません。齢を重ねると頑固で怒りっぽいくなると言います。名誉と思われるものが多くなり、自尊心がが強くなるからなのでしょう。
「怒り」というキーワードで検索して、こんな記事を見つけました。
「こうではいけない」「普通は」「こうしたらダメ」「こういうものだ」「常識的には」・・・・こんな観念が怒りの製造元になっているといいます。
そして、「なんだあいつは!」、「許せない」、「ふざけるな」となる・・・なるほど。だから私は怒ったんですね。
コンビニでアルコール飲料を買ったら年齢確認をされた。このオレを見て二十歳未満だと判断するのはおかしくないか? と怒っていたTVタレントさんがいましたが、常識の問題と理解すれば納得です。
常識ってなんだっけ?
私が腹を立てたのは、「私の常識ではこうはしないだろう」と考られる対応だったからです。私が腹を立てるのを予想して治療中に説明した訳でないでしょうから、私と歯医者さんの常識が違っていたことがトラブルの原因と考えてよいでしょう。
なぜ、麻酔の注射をしてから担当が変わることを通告したのか。
- 治療の作業をしながらの方が時間の無駄がない。
- 治療を始める前でも、始まってからでも、終ってからでも患者には影響がない
- そもそも、担当が変わるのはたいして大きな問題ではない。
ところが、私にとっては一大事。常識が違っていたので、「こうあるべきだ」と説教することになってしまったのです。
常識ってなんでしたっけ?
■ common sense ? ? 常識、判断力
*「common」は、「一般の、共通の、普通の、平凡な」という意味です。
*「sense」は、「感覚、意識、思慮、分別」という意味です。(略)
■ everyone knows ? ? 常識だ。みんな知っている。知らない人はいない。
そのアメリアの女優を知っていることは常識だ。(誰もが知っている)
Everyone knows the Americans actress.
共通の「感覚、意識、思慮、分別」。みんな知っていること。
私と歯医者さんはの間には、共通した治療担当が変わるときの作法がなかったのです。
どちらが正しいということがあるはずがありません。ただ、今後私ののような患者とトラブルを起こさないようにするには、治療をしながらの担当変更の話をしない方が無難だということになります。
治療作業をしながら担当変更の話をすると怒るのは私だけなのか。それはちょっとわかりませんが・・・。
私はどうするのが一番良かったのか
歯医者さんが患者とのトラブルを避けるように行動してばかりすると、常識は患者中心のものなってしまいます。そこで、患者の私はどう行動するのが正しかったのかを検討することも必要かと思います。
私のアマゾンほしい物リストに「賭けの考え方」という本があります。
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その商品の説明に興味深いことがありました。
勝ち組プレイヤーの思考習慣とは!
(略)
本書では、そんな心理的側面から勝つための思考法を伝授する。そのカギとなる考え方は、次の7つ。
・さまざまな現実を理解し受け入れる
・長期的視野でプレイする
・金を儲けることよりも正しい決断を下すことを優先させる
・金への執着を捨てる
・自尊心を持ち込まない
・あらゆる感情を決断から排除する
・分析と改善のサイクルを継続的に繰り返す
現実の世界では能力や力関係が対等ではありませんが、賭けの世界ではプレーヤーはすべて平等です。あるのは運だけ。そこで勝つためのノウハウがあるとすれば現実の世界でもかなり役立つはずです。
ありましたね、役立ちそうなことが。現実の理解と受け入れ、正しい決断、自尊心を持ち込まない・・・。
治療を受けなくても結果としては良かったのですが、これが体調不良の原因だったとしたら、どこかで同じ治療を受けなかればなりませんでした。私の地雷を爆発させたことが自分の不利益を生んでいたかもしれません。
結果オーライだったということです。
機会があれば怒りに仕組みついてもっと深く考えてみたいものです。
*1:治療を受けなかったことは、結果として良かったことになります。その後、体調不良の原因は頸椎ヘルニアであることが分かり、手術により少しずつ良くなることになったからです。