初めての国立国会図書館
初めて国立国会図書館に行き、雑誌記事を閲覧・コピーしてきました。卒業研究の論文を書くためのに使いたいと考えたからです。
調べたいのは「スクリューボール・コメディ(Screwball comedy)」というコメディ映画のサブジャンルのこと。住む世界が全く異なる男女が出会うラブ・ロマンスで、次々と事件が起こる展開から、野球のどう変化するか予測のつかない「スクリューボール」になぞらえて名付けられたものです。
行く前に「国立国会図書館」で検索をして、本や雑誌があることを確認しました。結果は次のとおり。
- 「スクリューボール・コメディ」雑誌記事 加藤 幹郎 <Z13-2155> 掲載誌 すばる 12(10) 1990.10 p.p214~222
- 「スクリューボール・コメディ論の変遷」 雑誌記事 宮本 高晴 <Z11-78> 掲載誌 演劇学 / 早稲田大学演劇学会 編 (通号 28) 1987 p.p15~27
これらの記事を論文に活用するために国立国会図書館へ行き、記事を閲覧・コピーしてきました。
国立国会図書館は初体験。利用したことがない人も役立つ情報を提供できれば幸いです。
国立国会図書館は面倒くさい
国立国会図書館は日本最大の図書館です。
「国立国会図書館法」の納本制度により、全ての出版物は納入することが義務付けられています。
対象になる出版物は次のようなものです。
図書、小冊子、逐次刊行物(雑誌や新聞、年鑑)、楽譜、地図、マイクロフィルム資料、点字資料およびCD-ROM、DVDなどパッケージで頒布される電子出版物(音楽CDやゲームソフトも含む)
(wikipedia「納本制度#制度の概要」)
つまり、どんな本でも読める図書館です。しかし、自治体などが運営している図書館と違って、面倒くさいところがあります。それを整理すると次の三つになります。
- 《登録利用者カード》がないと入館できない。
- 《閉架式図書館》なので、自由に手にとって読むことが出来ない。貸し出しもしない。
- 《巨大な図書館》なので、どこで何をすれば本を読んだり、コピーが出来るのかがわからない。
一度利用して仕組みを知ってしまえば便利ですが、そこまでが面倒です。
慣れている人にはなんともないことでも、高度な乗車券の自動販売機、キャッシュレスの使える自動販売機などと同じで、使い方を知るまでは面倒なことが多いのです。
ここではこの三つについてざっくりとお話します。
登録利用者カードを作る
現在、新型コロナ対策のため入館者数が制限され、抽選予約の申込みフォームから申込む必要があります。*1
ただし、平日の 9:30 ~ 11:00、16:00以降は予約抽選なしで入館できます。
平日の 9:30を目標に国会議事堂の隣にある国立国会図書館へ向かいました。下車駅は《永田町》。
休館日に注意
休館日があります。何も考えずに行ったら「休館日だった・・・Orz」となっては最悪。確認していきましょう。
-
日曜日、国民の祝日・休日、年末年始、第3水曜日(資料整理休館日)
臨時休館もあります。
行く前に確認しましょう(国立国会図書館:利用時間・休館日)。
登録利用者カードを作る方法
入館するには、登録利用者カードが必要です。
建物は手前の〈本館〉と奥の〈新館〉がありますが、登録手続きが出来るのは奥の〈新館〉です。
詳しくは「国立国会図書館の利用者登録について」にありますが、ここでは注意すべき点を紹介します。
- 利用者登録は東京本館では 9:20 から可能。
- 登録できるのは満18歳以上の人。
- 氏名・現住所・生年月日が確認できる《本人確認書類》が必要。
個人番号カード(マイナンバーカード)、運転免許証、健康保険証、パスポート、学生証、住民票の写しなど。 - 《利用者登録申請書》を書いて提出する。記入して持参してもよいですが、行けば用紙を渡してくれます。記入するところも少ないので、先に準備するほどでもないでしょう。
- 有効期間は3年。国立国会図書館を利用すると、その日から3年間さらに延長されます。
つまり、3年以上利用しないと無効になるということです。
時間はそんなにかかりません。
このカードで、駅の改札を通過するように入館できます。
と・・・・ここまで国立国会図書館のWebを見ながら書いていましたら、利用方法が「利用案内動画」にあることを知りました。
これを見てから行けば良かった・・・Orz
国立国会図書館東京本館利用案内「利用者登録・入館」編
入館するときの注意
注意すべきことを書くと以下のようになります。
- ロッカーに荷物を預ける。
- ノート、筆記用具などは備えてある透明ビニール袋へ入れて持ち込む。
- カメラなどは持ち込めない。
- 本館、新館どちらにもゲートはあるそうですが、私が入ったのは本館でした。
ゲートを入って進むと、この動画の最後にあるような利用端末のあるホールがあります。
閉架式図書館はどう利用するか
〈閉架式図書館〉は利用したことがありません。ちょっと不安でしたが、一度経験すればなんてことはありません。
検索、利用申込み、受け取り、コピー依頼、コピー受け取りなどPC端末を使って行います。そのとき、〈登録利用者カード〉が大活躍します。カードをカードリーダに置いて、パスワードを入力すればログインできます。
本を閲覧するにはどうすれば良いか
「資料の利用申込み編」を貼り付けます。
注意すべきことをメモします。
〈図書〉と〈雑誌〉は受け取る場所が別
〈図書〉カウンターは本館、〈雑誌〉カウンターは新館にあります。
フロア図の2階を参考にしてください。
各階フロア図|国立国会図書館―National Diet Library
「利用できる資料はありません」
所蔵一覧に「利用できる資料はありません」と表示されることがあります。これはデジタル化されているから、〈端末で見てね〉ということです。
それを知らずに私が〈利用申し込み〉をすると、最新号の「すばる」を渡されました。
その旨、雑誌コーナーに人にいうと、端末での閲覧、コピー依頼を丁寧に教えていただきました。
デジタル化資料の閲覧方法はこちらの動画です。
コピー依頼はどうすれば良いか
著作権法の許す範囲でコピーしてもらうことが可能です。
「資料の複写手順」編
コピー依頼の手順を整理すると次のようになります。
- PC端末を利用して複写申込書を印刷する。
- 複写申込書に複写箇所のページを記入。
本の複写《開始ページ》と《終了ページ》にしおりをはさむ。 - 本館、新館の本を借りた複写カウンターで申し込む。
- 確認端末で複写が《完了》したかどうかを確認。
- レジカウンターで受け取る。
支払いは電子マネーでもOK。 - 複写料金表(東京本館:来館)によりますと、複写料金はA4 / B4 で1ページ 27.50円です。
- 何かと登録利用者カードが必要です
デジタル化資料のプリントアウト
「利用できる資料はありません」と表示された資料のプリントアウト方法です。
PC端末で次の捜査を行います。
- 印刷する依頼する範囲の指定
- 画質の補正
- 印刷PDFの作成
- 申込み情報入力により印刷依頼
コピー受け取りは「本館プリントアウトカウンター」です。
国立国会図書館は広い
申し込み、受け取りをする場所
フロア図で把握しておくと便利です。
- 図書は本館2Fの〈図書カウンター〉、雑誌は新館2Fの〈雑誌カウンター〉で受け取り、返却をします。
- 〈新館プリントアウトカウンター〉は新館の1F
- 〈本館プリントアウトカウンター〉は本館2Fの一番奥
食堂、売店、喫茶室 もあります
地図室、憲政資料室、新聞資料室、議会官庁資料室、マイクロ複写カウンター、科学技術・経済情報室、人文総合情報室、音楽・映像資料室、音楽・映像資料室なども。
- 食堂、売店:9時30分~18時(土曜日は17時)
本館の6階です。 - 喫茶室:11時~14時(第1、3、5土曜日は休み)
本館3階と新館の1階(入館した階は2階です) - フロア案内|国立国会図書館―National Diet Library
マイリストに保存できる
リモートからログインして資料を検索し、マイリストに保存することが可能です。
「無知の世界から低レベル知の世界へ」
初めて国立国会図書館を利用しました。
行く前はどんなところか、知らないことだらけでしたが、知ってしまえばこんなに便利なんだと感心しました。
国立国会図書館のWebには丁寧に分かりやすく書いてあり、Youtubeまであります。しかし、これは一度経験したから分かりやすいのであって、そうでなかったらどんな情報がどこにあるか知らないままでした。Youtubeを見たのもブログを書こうとしたからで、そうでなかったそれも知りませんでした。
「無知の世界から低レベル知の世界へ」一歩踏み出しました。
「百聞は一見にしかず」です。
是非、行ってみてください。
そうは言っても今は特別に調べたいことがないという人がいるかもしれません。そういう人のために「東京本館の参観(見学)」(新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在は休止中)、「東京本館の利用ガイダンス」が開かれているようです。