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人は相手と状況によって言い方を変える
毎日、放送大学図書館に通って「日本語とコミュニケーション('15)」を学習しています。
「日本語とコミュニケーション('15)」では何を学ぶのか。日本語で相手とコミュニケーションするとき、私たちはどんなことをしているのかを体系的に学習しています。
言語を使うものだったり、ジェスチャーだったり。相手が家族だったり、友人だったり、会社の上司だったり、知らない人だったり、相手と状況によって随分と違った応対をします。
今回は「6 依頼・勧誘と応諾・断り―言語行為とポライトネス①―」。ポライトネスとは言葉の丁寧さみたいなものです。何かを「依頼」するときでも対人関係によって言葉遣いは変わる。依頼や命令、批判によって「邪魔されたくない、踏み込まれたくないという欲求」が侵害され、逆に感謝や褒めによって「受け入れられたい、よく思われたいという欲求」が満たされる、そんな話でした。
下の引用はペンを借りるときに何というかを書きだしたものです。aが対人関係が近く、g、h、iと対人関係が遠くなります。中国や韓国では親しい人だと黙って借りることもあるそうです。h になるとは ためらい+お詫び+理由+例示(敬語)+伺い(敬語)と、とても丁寧です。iではペンを借りたいという意思表示さえしていません。
(2)ペンの借り方
a「借りるよ。」
b「ペン貸してね。」
c「借りてもいい?」
d「ペン貸してください。」
e「ペンお借りできますか?」
f「すみません、ペンをお借りしたいのですが。」
g「ペンを忘れちゃったんですが、貸していただけないでしょうか?」
h「あのう、大変申し訳ないのですが、ペンを忘れてきてしまって・・・。1本お借りすることなど、できますでしょうか?」
i(独語的に)「あ、しまった! ペンを忘れてきちゃった・・・。」
( 「日本語とコミュニケーション('15) 6 依頼・勧誘と応諾・断り」より)
ペンを借りるだけでも、こんなにも言い方を変えているのだと学びました。
「PCが立ち上がらないから見てくれ」と頼まれ、それを断ったことからトラブルになったことがありました。あれは何だったのでしょう?
ことばの丁寧さの問題? 自分の反省も兼ねて書き出してみます。
会社のAさんと口論になってしまった
出社すると会社のAさん(女性)にPCが立ち上がらないから見てくれと頼まれたことがあります。
ポライトネスの程度は d の「ペン貸してください。」くらいだったでしょうか。
私はPCを立ち上げ直しながら、「7月から非常勤になり、PC修理は私の業務でなくなくなりました。なるべく私に頼まないでください」と話しました。このポライトネスの程度はも 同じ「ペン貸してください。」くらい。
そうしましたら、彼女と口論になってしまいました。争点はPC修理が私の業務なのだと頑張ります。彼女は口癖の「そうなんだけど」を連発します。
ここで彼女が怒り出した理由な何だったのでしょう。私の言い方が悪かったのか、業務範囲の把握に食い違いがあったのか。
やっぱり、日本語的にお詫びから入らないのがまずかったと反省しています。
PCが立ち上がらないと頼むのは相当困った状態でしょう。しかし、何か作業をしようとしているときにいきなり頼まれるとこちらも不機嫌になります。PCが不調なときは業務でなくても直してあげたい。でも、かなり面倒で苦痛なんです。この面倒くさいのは私だけなんでしょうか。
みなさん、ニコニコ見てあげています? 同じようなトラブルで、原因や対処方法を説明しても、何度も同じことを繰り返すのでイライラしてしまいます。
ここで問題があったのは「断り」の言語行為ですね。私は身も蓋もない言い方をすることがあります。特に女性には最初は共感を示すのが重要で、解決は時間をおいてからでよいんですよね。もっと丁寧に事情を説明すればトラブルは避けられたのかも知れません。
トラブルを記事にするメリット
こんなことで言い争いをしているんだという事を記事にしてみました。トラブルは自分の恥です。でも、それをブログに書いて分析的に考えると、なぜトラブルになったのか理解が深まりました。
原因を深く考えないで放っておいても、お互いの気持ちが静まり対人関係が修復されたように見えるときもありますが、時間が経って忘れたころにまた同じような問題がおきてしまいます。
記事にして良かったです。