シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

なぜ、韓国は日本よりも学歴競争が厳しいのか・放送大学「心理と教育を学ぶために」

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目次

韓国は日本より厳しい超学歴社会

韓国で行われた「大学修学能力試験」の様子が報道されたました。試験会場の前では、家族や後輩たちが大勢集まって応援する様子はかなり異常に思いますが、日本でも似たような状況なのでしょうか。

「何かを学びたいから、大学に行くんじゃないの? 目的が違っていない?」

そうも思いますが、日本よりも学歴が重視される韓国では、試験の結果が人生を左右する度合いが日本よりも高いそうですから、受験に必死になるのも無理もありません。

なぜ、こんなにも受験の競争が激しくなるのか。

その答えが私の履修している「心理と教育を学ぶために」に記載されていました。

放送大学「心理と教育を学ぶために('12)」

心理と教育を学ぶために (放送大学教材)

心理と教育を学ぶために (放送大学教材)

 

 この科目は「心理と教育コース」の全体を紹介して、教育学、心理学、臨床心理学の三領域の基礎知識を学ぶものです。

人間が社会の中で生活するために、文化を効果的に学習するためには教育が必要だということを、教育されなかった野生児の例などを参考にしながら学んでいきます。

教育には社会的選別機能がある

教育は発達をサポートするために行われます。

しかし、社会の職業は階層化されていて、その収入には大きな差があり、社会的地位もずいぶんと違います。すると、教育では少しでも重要な地位につくための訓練が行われ、教育は職業・地位を振り分ける機能を担わされているという話です。

教育は発達をサポートするのが目的なのですが、結果として職業・地位を振り分けているとうことです。

選別するために教育が行われている訳ではないのでしょうが、自由な競争社会である限り、競争に勝ち抜く人と敗れる人が生まれるのは避けられません。

競争に勝った人だけが希望する階層の職業に就ける・・・嫌ですけれども。

どうしてもこうなっちゃうのでしょうね。

近代化を遅く開始した国ほど修了証書が求職の選別に利用される

イギリスの社会学者ロナルド・ドーア「学歴社会新しい文明病」が紹介されていました。

その中に、日本を含め遅れて近代化を開始した国々では学歴による選別機能を強める、というものがあって、興味を持ちました。省略して紹介します。

  1. 後発国は急いで先進国に追いつくために、手本とする先進国からパッケージ化さえた知識・技術を導入し、それにより急速で効率的な人材養成を図っていく必要性が強まる。
  2. 後進国では、農業等の伝統部門の上に、国主導で近代部門を構築するので、伝統部門と近代部門の二重構造になる。
  3. 伝統部門と近代部門の格差が拡大し、近代部門に求職しようとする人が増えて高学歴志向が進む。
  4. 「追いつき型」の国家目標が協調されることで、学校教育が近代化部門への経路として開かれる。
学歴社会新しい文明病 (〈特装版〉岩波現代選書)

学歴社会新しい文明病 (〈特装版〉岩波現代選書)

 

この本は、日本、イギリス、発展途上国を比較・分析しているそうです。

技術が発達すると、その技術を使いこなせる人と使えない人との格差は益々広がるようになります。すると、社会の高い階層の職業に就こうをする人は学歴社会を勝ち抜かなければなりません。

イギリスは日本ほどの学歴社会になっていないのでしょうか。初版は1978年の古い本ですが、今のイギリスはどうなのでしょう?

興味のあるところです。