シロッコ手習鑑

高卒シニアなのに臨床心理士になりたいと思い立って放送大学生になりました。

分かりやすいのはなぜ?・池上彰さんの「わかりやすく〈伝える〉技術」

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

 

目次

困ったときの池上さん頼み

誰でも、たまたま読んだ本が気に入ると、続けて何冊か同じ作家の本を読むということがあると思います。池上彰さんもその一人、今まで、何冊か池上さんの本を読んできました。

そうだったのか! アメリカ」、「伝える力」、「学び続ける力」、「<わかりやすさ>の勉強法」、「日銀を知れば経済がわかる」、「45分でわかる! 14歳からの世界金融危機」、そして、今回の「わかりやすく〈伝える〉技術」。全部で7冊。

7冊のうち、プレゼンや記事を書くことについてのものが3冊もあります。「伝える力」「<わかりやすさ>の勉強法」「わかりやすく〈伝える〉技術」。

池上さんなら、なんとか文章が苦手な私に秘訣を教えてくれるかも知れない、そんな期待からこの本を読みました。

デーブ・スペクターさんに教えて貰った「週刊こどもニュース

今では分かりやすい解説の代名詞のような池上彰さん。私が池上彰さん知ったのは、日本語の駄洒落を言いまくる変な外人デーブ・スペクターさんがきっかけです。彼が、何かの番組で「NHK週刊こどもニュースが面白いから見ている」と言っていたのです。デーブ・スペクターさんがアメリカのテレビ・プロデューサーなのは知っていましたから、「テレビのプロが言うんだ。きっと面白いに違いない」と「週刊こどもニュース」を見たのです。

cgi2.nhk.or.jp

週刊こどもニュース」というのは、毎週日曜日の朝8:30からNHKが放送していた子ども向けのニュース解説番組です。一週間のニュースを子ども向けに紹介して、その中から重要なものをお父さん役の池上さんが、お母さんの力を借りながら三人の子どもに説明するというものです。池上彰さんは「週刊こどもニュース」のお父さん役、お母さん役はWAHAHA本舗柴田理恵さんでした。

この番組の感想は、面白くて分かりやすい。そのときは、デーブ・スペクターさんが言うほどの素晴らしさは実感できませんでした。

あれから20年。今の池上さんは飛ぶ鳥を落す勢いです。さすが、デーブ・スペクターさん、キャスターを見る目は確かなものだったのですね。

この本の中で、池上さんはキャスターとして一番うまいと思うのは久米宏さんだと言っています。そして、何がどのように凄いのかを解説しています。それから、みのもんたさんのプレゼンテーション手法も素晴らしいと言っていますね。もんたメソッド。文章の一部を隠して注目を集め、ほかの余分な情報から浮き上がらせているのですね。

しかし、久米宏さんの凄さも、みのもんんたさんの素晴らしさも、ひとつひとつを具体的に言われてみて、「あぁ、そうなのか、凄いのか」と分かる程度。私が直接感じることではありません。プロのキャスターの目というのはレベルが違うものなのだと実感しました。

 

分かりやすさを生む三つのポイント

この本を読んで「だから池上さんの説明は分かりやすいんだ!」と感じたのは以下の3点です。

  1. 分からないのは説明する人が悪いというスタンス
  2. 分かりやすくするために、もうひと手間かける
  3. 説明する相手を考えてから論理構成する

最初の「分からないのは説明する人が悪い」

これは池上さんがニュースを読んでいた時代の話です。下読みをしているとあまりに専門的で分かりにくい。そこで、経済部のデスクの「こんな原稿わかんないですよ」というと「分からないのはお前がバカだからだ」と言われたというエピソードが紹介されています。報道部は読者よりも取材先を見ていることが多いのだそうです。

これで耳が痛くなるのは、PCの操作を説明するときですね。家族や職場の人にPC操作の説明をすることがあるのですが、なぜ、PCスクールのインストラクターのように丁寧に説明できないのか、慣れていないだけではないような気がします。

 

次の「分かりやするためにかけるもうひと手間」というのは「第4章 図解してから原稿を書きなおす」の中に出てきます。

池上さんがプレゼンとするときは、以下のような順序で準備をするのだそうです。

まず、ざっと話したい要素を書き出す。

リードを作る。(引用者注:これからこういう話をしますよ、という部分)

目次を作る。

一回書いてみる。

どこを図解すれば良いか考える。

パワーポイントを作る。

パワーポイントにそった原稿に書き直す。

その原稿を箇条書きのメモにする。 

原稿を書いて、どこを図解するか考えて、パワーポイントを作るまでは、普通にありそうです。

その次からがキモです。図があればそれを活用した説明に原稿を書きなおすのです。さらに、原稿を箇条書きのメモ。口頭での発表ですから、原稿の棒読みにならないようするためですね。

私がテレビ出演するなんてありえませんし、プレゼンをすることもありません。しかし、ブログを書くときに活用できるのではないかと思いました。

写真や図を解説する記事は、何もないところから文章をひねり出すよりも楽です。このブログでも、先に目立つように三つのポイントをあげています。そして、それぞれについて説明をするという構成になっています。これはこれからも真似して活用できそうです。

 

最後の「説明する相手を考えてから論理構成する」は『第10章 日頃からできる「わかりやすさ」のトレーニング』の中で出てくる話です。

池上さんは、「わかる」とは自分の持っているバラバラな知識がひとつにつながることだと言います。そのとき、「そうだったのか!」となる訳ですね。しかし、バラバラな知識をひとつにつなげてもらうにも、年齢や環境によって持っている知識が違います。そこで、大人には大人に向けての説明をする構成をし、説明する相手がこどものときは、さらに噛み砕いた構成をしているのです。

今の私にしてみれば、論理破綻のない読みやすい文章になんとか近づきたいというので精いっぱい。説明する相手を考えてから論理構成をする余裕はないです・・・。

最後に

池上さんがプレゼンとするときは、「まず、ざっと話したい要素を書き出す」という作業から始まるとこの本の中にあります。しかし、私にとってはこれが一番むずかしそうです。

それをなんとか解決したくて、ロジカル・シンキングの本を読んだりしているのですが、決めてが見つからないですね。