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妻の三回忌が近づいてきた
妻が自ら命を絶って2年になろうとしています。 そろそろ三回忌の法要の準備をしなくてはと義母と相談をしたところです。「2年目なのになぜ三回忌?」と疑問もありますが、私には仏教のことはよくわかりません。
気持ちも随分落ち着いてきましたので、三回忌を前に妻の思い出話というか、追悼記事を書いてみようと思います。日本では愚妻とか愚息とか家族をさげすむ言葉を使って褒めない風習がありますが、そこはちょっと許してください。
2009年の2月24日から27日まで、安いツアーで台湾に行ってきました。安いツアーですから最初と最後の日は移動だけでつぶれ、観光できるのは正味2日しかありません。25・26日と台北観光の後、夕日の綺麗な淡水で解散。そこからは自由行動でした。
私たちの予定は淡水駅から台湾の地下鉄MRTに乗り、当時世界一のビルだった台北101へ。そして、最後にちょっと豪華な夕食というものでした。
台湾ドルが足りなくなった
ところが、台北101の展望台料金を支払うと台湾ドルが400元ちょっとしか残りません。展望台の料金がかなり高価だったからす。レストランへはカードで払うにしても、レストランまでのタクシーとホテルへ帰るタクシー代が微妙です。店へは20:30までに行かなければならず、電車で行けば間に合わなくなってしまいます。
両替できそうなところを聞いて歩きます。台北101にATMがありましたので、キャッサービスを受けようとしましたがうまくいきません。さらに銀行でもダメでした。
こういうとき、私は両替を諦めて次の手段を考えるのですが、妻は諦めません。近くにハイアットホテルを見つけて、ホテルのフロントで両替の交渉をします。
しかし、宿泊者でないと両替は出来ないと断られてしまいます。
(GRAND HYATT TAIPEI。グリグリすると左に台北101が見えます)
両替を断られたら、あなたはどうします?
断られてしまえば、私はカードを使えるタクシーを探すとか別の方法を探すのですが、妻はそうしません。またフロントの女性に何か話して食い下がります。
なんて無駄なことをするのだろう。言われた相手だってルールを曲げる訳にはいかない。迷惑だろうに・・・。そう考えて私はどんどん不機嫌になってしまいます。
私は英語がほとんど出来ませんが、妻はもっと出来ません。しかし、コミュニケーション能力は私よりずっと高く、身振り手振りで話は通じてしまいます。
そして、どうしても両替をしたいと訴えるのです。ついに、フロントの女性は近くの三越ならは両替してくれることを教えてくれました。
私は先に諦めてしまうタイプですが、妻は「やってみなきゃ分からない」と何かをトライするのです。
私もこんなパワーが欲しい
昨年の夏、野口英世記念館を訪ねたとき、「困難を切り開くパワー」について書きました。そして、孫正義さん、久米宏さんのバイタリティについて触れました。
- 孫正義さんは、アメリカでの大学検定試験のときに、「日本語ならば必ず解ける」と言い、辞書の貸し出しと時間延長を試験官に申し出ます。最後は州知事と電話交渉して要求を実現して合格します。(wikipedia:大学検定試験の逸話)
- 久米宏さんは、難関のTBSアナウンサー試験に受かったけれども、「不可」があって大学を卒業できません。そこで、オールドパーを2本持って教授宅へ行き、「不可」から「不」の一文字を取ってもらうべくお願いして卒業します。(久米宏さんと「LIFE」の話を。 - ほぼ日刊イトイ新聞:公開終了)
私にこういう力がたりません。しかし、妻にはそんな力があって、半分あきれ、うらやましく思ったのでした。
(新光三越:ここで両替できます)