シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

【放送大学おすすめ科目】論じる見本として『日本文学の名作を読む』を学ぶ

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Image by KotaroBlog from Pixabay

目次

履修科目は決まりましたか? 

自宅での単位認定試験が終わりました。

問題はネットで提示、回答は郵送する。「自力で解かないのは不正」と注意がりましたが、何を見ても良いという珍しいテストでした。

東京大学大学院の入試がオンラインで行われる時代です。ウェブでいくら調べられるのが前提の難しい問題かと思いましたが、それほどでもありませんでした。あとは採点の結果待ちです。

さて、来学期の履修科目を決める時期になりました。

15日 から31日の間に科目登録申請をしなければなりません。

履修科目決まりましたか?

来学期に履修する科目を検討していると、みなさんにもオススメしたい科目がありました。

日本文学の名作を読む(’17)』です。

日本文学の名作を読む (放送大学教材)

日本文学の名作を読む (放送大学教材)

 

この科目を選択すると、こんなメリットがあります。

  1. 平均点が高く、単位認定試験をパスしやすい。
  2. 文学が学べます。文学で人間本来の姿や生き方を知る。しかも、 千年以上も前の人が考えていたことを知ることができます。
  3.  文学を論じるスタイルを学べそうです。
    映画や本について書くときに、手法を真似できるかもしれません。

履修科目に迷っているなら『日本文学の名作を読む』がおすすめです。

なんとしても単位を取りたい学生さんへ

放送大学にはいろんな学生がいます。

大学を卒業して社会人になって、さらに学びたい人、キャリアアップしたい人。看護師さん、小中高、大学の先生。カルチャーセンターのような楽しみ方をしている人。

でも、切実感のある苦学生もいます。

家族もなく、自力で道を切り開いて学位を取得したい人。大学院への進学を目指している人は「単位」がとれるかどうかは切実な問題です。

そんな人には『日本文学の名作を読む』がオススメ。単位認定試験の平均点がとても高いからです。

  • 試験の方式:択一式
  • 持ち込み可:印刷教材・ノート
  • 2019年度2学期(84.1点)
  • 2019年度1学期(88点)
  • 過去問があるのも魅力

中央値とは違いますから確実ではありませんが、平均点が「88点」ということは半分くらいの人が「88点」以上だったということ。

もし、単位認定試験の結果が「正規分布」になっているとしたら、「0」のところが「88点」で、最低点数は逆方向に同じ広がりをして「76点」くらい、全員が60点以上の単位認定条件をパスしてることになります。
(中には勉強しないで落とした人もいるか・・・?)

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(ウィキペディア「正規分布」より)

もうひとつ、平均点が高い科目に『日本語アカデミックライティング(’17)』があります。

  • 持ち込み可
    印刷教材・ノート
  • 2019年度2学期(82.5点)
  • 2019年度1学期(89.3点)

この科目もほとんどの人が単位を落とすことがなかったと思われます。

なぜ、こんなに平均点が高い科目があるのか?

「この科目は大切だから、ぜひ学んで欲しい!」

そう主任講師が願っているに違いありません。

日本文学の名作が解説つきで読める

日本の名作文学を読んだことがありますか? 

私が読んだのは夏目漱石の「坊っちゃん」とか森鴎外の「高瀬舟」くらい。私は、中間小説と言われた娯楽小説ばかりを読んでいました。

あとは学校の教科書にチラッと乗っている作品を読んだだけ。

そもそも、「名作」って何なのでしょう。

印刷教材の試し読みPDFを見ると、作品が生まれ、名作として残ってきた経緯が語られます。

1.名作をどう読むか
《目標・ポイント》 日本文学における名作とは、どのような作品を指すのか。作品が誕生して から名作として認定されるまでの道のりを、『枕草子』を具体例に取って概観すると共に、本 書で取り上げる作品群の概要を俯瞰し、それらが、各時代を代表する新しいジャンルの創造と 深く関わることを指摘する。
《キーワード》 名作、ジャンル、韻文と散文、『枕草子』

1.作品の成立と名作の誕生

※名作とは何か

そして、登場する作品はこちら。

  1. 名作をどう読むか(『枕草子』)
  2. 『伊勢物語』を読む
  3. 『源氏物語』正編を読む
  4. 『平家物語』を読む
  5. 『方丈記』を読む
  6. 『徒然草』を読む
  7. 『金々先生栄花夢』を読む
  8. 『桜姫全伝曙草紙』を読む
  9. 『白縫譚』を読む
  10. 『怪談牡丹燈籠』を読む
  11. 夏目漱石の小説を読む
  12. 森鷗外の史伝を読む
  13. 芥川龍之介の短編を読む
  14. 中島敦の短編を読む

島内先生が名作と言うのに、『金々先生栄花夢』、『桜姫全伝曙草紙』、『白縫譚』を知りません。

調べてみました。

『金々先生栄花夢』

「金々先生」とは当時の流行語で、流行の先端をいく金持ちの粋人を意味する。江戸でひともうけしようとする田舎者(いなかもの)金村屋金兵衛は、目黒不動で名物の粟餅(あわもち)を食べようとし、それができあがるつかのまの夢に、富商の婿となって遊里での栄華を極めるが、遊びがすぎて勘当の身となる顛末(てんまつ)を見、人間一生の楽しみもしょせん粟餅のできあがる間の夢にすぎないと悟る。

 (ジャパンナレッジ「金々先生栄花夢」より)

『桜姫全伝曙草紙』

歌舞伎などで流布していた清玄桜姫物の怪談を素材とし,悪と美とグロテスクと怪奇を織りなした,京伝の長編伝奇小説の代表作。

 (コトバンク「桜姫全伝曙草紙」)

『白縫譚』(シラヌイモノガタリ)

群雄割拠する戦国時代の九州を舞台に、謀計に斃れた豊後国臼杵城主大友宗隣の遺児として、変幻自在の妖術を操り、御家再興と九州平定を誓う、美貌の妖賊・若菜姫の活躍を壮大なスケールで描いた、全90編にも及ぶ合巻中の最大にして最高の傑作伝奇長篇。泉鏡花によって「江戸児の張と意気地」を体現した女性像が賞賛され、江戸川乱歩が原本を愛蔵していた事でも知られる、幻の幕末のベストセラー小説。原本の挿絵も全て収録。

 (国書刊行会「白縫譚」より)

文学は「役立たない」と言う人もいます。

しかし、 千年以上も前の人たちが書いた文学作品が残され、それを読めるというのは大きな財産です。

『枕草子』から「中島敦の短編」まで、名作と言われる作品が表現していたことを知り、それについて考えてみる。それは、人間本来の生き方、自分の生き方を考えることに繋がると思うのです。

PDFのテキストを読んで気がつくのは、島内先生のテキストが平易でとても読みやすいことです。国文学を研究していると、こんなにも読みやすいテキストを書くようになるのかと強く印象に残りました。

論じるための見本として学ぶ

放送大学にはレポートがありません。

少しですが、記述式の通信指導問題、単位認定試験がありますが、赤が入って返されるわけではありませんから、どこがいいのか悪いのか、わからない状態です。

放送大学で学んでも、自分の頭で考え、論じる力を身につけるのは難しいのです。

日本文学の名作を読む(’17)』のシラバスを読むと次のような文が気になりました。どの文も「問い」があり、その「答え」を求める思考をしていることに気づきます。つまり、論じているのです。
どのような「問い」の答えであったのか、「問い」を書いてみます。

  • 彼女が生前に作り上げた人間関係の意味を問い直す。
    問い「人間関係の意味はどんなものか?」答え↑
  • 親子関係に注目しながら考える。
    問い「親子関係はどのようなものか?」答え↑
  • 『源氏物語』の影響力の大きさを確認する。
    問い「『源氏物語』の影響はどのようなものか?」答え↑

  • 古典である『平家物語』との比較を試みる。
    問い「『平家物語』とはどのような違いがあるか?」答え↑

  • 住まいの文学・人生観の文学としての個性を明らかにする。
    問い「どのような個性があるか?」答え↑

  • 中世前期に成立した新しい散文スタイルについて考察する。 
    問い「新しい散文スタイルはどのようなものか?」答え↑

  • 『徒然草』が、それ以前とそれ以後の文学の分岐点となったことを、表現と内容の両面から考察する。
    問い「どのような点から『徒然草』が、それ以前とそれ以後の文学の分岐点となったといえるのか?」答え↑
  • 『金々先生造化夢』を読み、寛政の改革が黄表紙に及ぼした影響について考える。
    問い「寛政の改革は『金々先生造化夢』黄表紙にどのような影響を値たのか?」
  • 物語の構造、表現、主題について考察し、作品の特色と魅力を再評価する。
    問い「作品の特色と魅力はどのようなものか?」
  • 物語の構想、先行作品との関係、登場人物の造型を分析し、人気を集めた理由について考察する。
    問い「人気を集めた理由はなにか?」
  • 近代小説の草創と展開の中で、夏目漱石が果たした大きな役割に触れる
    問い「夏目漱石は近代小説の草創と展開の中で、どのような役割を果たしたか?」
  • 「史伝」というジャンルを取り上げて、その特徴を探る。
    問い「「史伝」にはどのような特徴があるか?」
  • 鷗外晩年の文学観と人生観を読み取る。
    問い「鷗外晩年の文学観と人生観はどのようなものか?」
  • 作品講読を通して、その表現と文体の魅力を明らかにする。
    問い「表現と文体の魅力はどのようなものか?」

どんなテーマで切り取って論じているのか。

学ぶべきことはたくさんあります。
そして、自分もこのような視点で語れるようになりたいと思うのです。

まとめ

8月15日 から31日の間に、来学期の履修科目を登録申請することになっています。

科目を検討していると、みなさんにもオススメしたい科目がありました。

『日本文学の名作を読む(’17)』です。

この科目を選択すると、こんなメリットがあります。

  1. 平均点が高く、単位認定試験をパスしやすい。
  2. 文学が学べます。文学で人間本来の姿や生き方を知る。しかも、 千年以上も前の人が考えていたことを知ることができます。
  3.  文学を論じるスタイルを学べそうです。

    映画や本について書くときに、手法を真似できるかもしれません。

履修科目に迷っているなら『日本文学の名作を読む』がおすすめです。

おまけ

授業は放送大学の学生でなくても視聴できます。