シロッコの青空ぶろぐ

高卒シニアが低学歴コンプレックス脱出のため、放送大学の人間と文化コースで学んでいます。通信制大学で学ぼうとする人を応援したい。学んで成功する人が増えれば、私のやる気も燃えるはず。

自分の気持ちを書いてはいけない・田口俊さんの作詞理論「思いどおりに作詞ができる本」

思いどおりに作詞ができる本 リスナーの心をつかむ歌作りの実践テクニック

思いどおりに作詞ができる本 リスナーの心をつかむ歌作りの実践テクニック

 

目次

探していた本が見つかった

実物を見てから買いたくて、探していたのに見つからず、諦めていた本です。この本を読みたいと考えたのは、八代亜紀さんの「雨の慕情」を聞いて、メッセージ性を学びたかったから。

「雨雨ふれふれもっとふれ、私のいい人つれて来い~♪」

これ、強いメッセージじゃん。雨にもっとふれ、私のいい人つれて来い、ってお願いしている。「雨の慕情」はどんな構造になっているんだろうと興味が湧きました。

(「日本を代表する作詞家・阿久悠さんの歌詞から、ブログが伝えるべきメッセージを学ぶ」より )

そこで、阿久悠さんの「作詞入門―阿久式ヒット・ソングの技法」を読みましたが、期待した内容ではありませんでした。

作詞の本を買うと、アマゾンから同じ分野の本がオススメされます。それが「思いどおりに作詞ができる本」でした。

レビューを確認すると、★5つが10件、★4つが1件。評価コメントも「目から鱗」、「実践向けの良本!」、「作詞が苦手な方が基本を学ぶのに最適」と称賛するものばかりです。

立ち読みすると本は期待どおり。この本があればブログが上達するのではないか。そんな妄想が膨らみました。

ブログにも応用できるポイント 

この本には、43の項目の作詞理論が書かれています。他に、優れた作品の解説、作詞家になる方法、先輩から学んだことのコラムが160ページに渡って記述されています。その中で、私がブログにも応用できると思ったのは次の4点です。

  1. 自分の気持ちを書いてはいけない。作詞はリスナーの代弁である。
  2. 1行目から書いてはいけない。詞はサビから作り始める。
  3. Aメロの作り方。サビの感情に至った出来事を書く。
  4. Bメロは”別の部品”を書けばよい。「別部品」とは「過去もしくは未来の長期のこと」。「別部品」なら何でもよい。

ちょっと、それを紹介してみます。

自分の気持ちを書いてはいけない。作詞はリスナーの代弁である。

田口俊さんは『歌ネット:言葉の達人/田口俊さん「作詞論」』で次のように言っています。

確固たる持論があります。

それは25年間お仕事をご一緒させていただいてる2人のプロデューサー松任谷正隆氏、須藤晃氏(浜田省吾、尾崎豊etc)から学んだことでもあるのですが作詞とは「リスナーの代弁」である、という事です。ややもすると作家は、作品とは「自己表現である」と思い上がってしまうきらいがありますがこと「作詞」に関しては、それはあてはまりません。その曲を聴いたリスナーが「あ、この歌、私(僕)の事を歌ってる」と思ってもらえる詞、それが作詞だと思っています。ユーミンや尾崎の歌を聴けば、それは明らかです。 

これは作詞だけの話ではありません。

以前見た「サワコの朝」で、又吉直樹さんが興味深いことを話してました。芥川龍之介の「トロッコ」を読んで、「うわ、めっちゃわかる!」と感じたと話していました。こんなことを考えるのは自分だけだと思っていたのに、その感情を作家が見事に表現していたからです。

又吉直樹さんは、太宰治を読んでも主人公を自分のようにとらえます。逆に考えると、太宰治は「この小説は、私の事が書いてある」と感じてもらえるように小説を書いたからです。

これはブログも同じだと言えます。

自分が書きたいことを書くのではなく、読者が知りたいと望んでいることを書く。この記事は私のために書いてあると感じてもらえるように書く。

Aメロ、Bメロ、サビ

Aメロ、Bメロ、サビの書き方は、どんなふうにブログに応用できるのでしょう。

Aメロは歌いだしの部分、
Bメロはちょっと曲の調子が変わって、サビにつなぐ部分、
そしてサビは、一番盛り上がる部分です。

(「Aメロ、Bメロ、サビなど」より)

「1行目から書いてはいけない。詞はサビから作り始める」

サビとは、音楽が盛り上がるところ。メッセージが込められた部分ですから、そこをしっかり決めてから書けということです。

  • 石川さゆりさんが歌う「ウイスキーがお好きでしょ」
    この本の著者・田口俊さんが作詞した曲です。この曲だったら、「ウイスキーがお好きでしょ もう少ししゃべりましょ」がサビ。
  • 「雨の慕情」だったら、「雨雨ふれふれ もっとふれ 私のいいひとつれて来い」の部分。雨に「私のいいひとをつれて来い」と言う発想が非凡です。どこから出て来たのでしょう。

このブログの書き出しの部分を歌にするなら、次の部分がサビになるはず。

  • 1番のサビ
    津田沼「丸善」で探したけれど見つからず、「honto」で検索しても在庫がない・・。どうしよう・・・
  • 2番のサビ
    探していた本が図書館で見つかったよ。いい本だから買いますよ。

「Aメロの作り方。サビの感情に至った出来事を書く」 

「”サビの気持ちになった瞬間の出来事”を書くこと」と言います。

「雨の慕情」なら、忘れたはずの人なのに、いつも膝枕をしていた膝がなんか軽いなぁと思った瞬間ですね。それをAメロで「心が忘れた あのひとも 膝が重さを覚えてる」と歌います。
このブログ記事なら以下のようになります。

  • 1番のAメロ
    本を探すようになった原因の出来事を描く
  • 2番のAメロ
    本が見つかったときの出来事を描く

「 Bメロは”別の部品”を書けばよい」

「別部品」とは「過去もしくは未来の長期のこと」と言います。

まとめ

 歌詞にはメッセージがあると感じ、作詞論の本を探していました。そこでたどり着いたのが田口俊さんの「思いどおりに作詞ができる本」。この本はブログを書くのにも役に立つはずです。

「優れた作品に学ぼう」という章では、優れた作品の解説が行われています。これも読む価値があります。

  • 松任谷由美「NIGHT WALKER」
    女性ならではの心情をとらえた珠玉のフレーズ
  • 吉幾三「津軽平野」
    "人を待ち焦がれる心"を見事に描写!
  • 坂本九「上を向いて歩こう」
    "励まし"ではなく、一緒に泣いてくれる歌

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