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邦画と洋画のイメージの違い
あなたは、洋画と聞いてどんなイメージを浮かべるでしょうか。
「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラのような快活な主人公を思い浮かべるかもしれません。それに対して邦画は、高倉健さんのようなストイックで静かな主人公の話と言うイメージを持っている人も多いことでしょう。
ところが、そのイメージとは全く逆で、洋画なのに日本映画のような映画を見ました。1993年のイギリス映画「日の名残り」。アカデミー賞の8部門にもノミネートされた名画です。まだ、見ていなかったら、ぜひ鑑賞することをオススメします。こんな日本的ともいえる洋画もあるのかと感心すると思います。
渋い映画を教えて貰った
この映画を教えていただいたのは、PhotoShareという写真共有アプリで知ったスイスでピアノを教えている日本人女性です。カズオ・イシグロの本はほとんど読んでいるとのこと。中でも「日の名残り」が映画化され、良かったとのことです。
ヤフー、アマゾンで評判を見ると、レビュー件数も多く、「渋い!」とか「サムライを見た」と、かなり評価も高く、観たい気持ちが高まります。レンタルショップから借りてみることにしました。
自分を押し殺す執事のプロ
本当に渋い映画でした。時代は第一次世界大戦が終わって間もなくの頃。イギリスの貴族に仕える執事の話です。
主人公は有能な執事です。有能だからこそ、自分の感情を押し殺します。主人に忠実であるのが有能な執事だからです。
自分の感情を押し殺すのを描いた表現にこんなシーンがありました。
主人が敵国となるドイツについて仲間と論争をしています。
主人が「お前はどう思うのか」と執事に聞きます。主人公は何かと理由をつけ、決して自分の考えを言わないのです。それが執事のプロたるところです。
しかし、自分を押し殺すプロの性格は恋愛には不向きです。それゆえに悲しい物語が起こる、それがこの映画のテーマです。
原作は 日系イギリス人
カズオ・イシグロは長崎県出身の日系イギリス人作家です。原作はイギリス最高の文学賞であるブッカー賞を受賞しています。これほど素晴らしい日系人がいるのに知らなかったというのは恥ずかしいですね。
日本の俳優さんにキャスティングするなら誰?
主演はアンソニー・ホプキンス。「羊たちの沈黙」でアカデミー主演男優賞を受賞しているんですね。
この映画を日本で作るとしたらどうでしょう。俳優さんは誰にキャスティングすれば良いと思いますか?
風貌だったら國村隼さんのイメージ。ストイックなイメージを大事にするなら、やっぱり高倉健さんでしょうか。
- 作者: カズオ・イシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1990/07
- メディア: 単行本
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追記:2017年ノーベル文学賞受賞
カズオ・イシグロは、2017年にノーベル文学賞を受賞しました。この記事を
書いたのが、2014年1月30日。私の知っている作家だものね、と鼻高々でした。