シロッコ手習鑑

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シロッコ手習鑑

高卒シニアなのに臨床心理士になりたいと思い立って放送大学生になりました。

我がまま娘がやりたい放題・映画「風と共に去りぬ」の感想

映画
風と共に去りぬ [DVD]

風と共に去りぬ [DVD]

 

目次

名画のお祭り「午前十時の映画祭」

傑作娯楽映画を選んで上映する「午前十時の映画祭」が2010年から開催されています。現在は「 第三回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」と名前を変え、今年も開催されています。千葉県では 市川コルトンと市原のTOHOシネマズが会場。市川コルトンプラザの上映スケジュールを見ますと2015/06/27(土)~07/10(金)まで「風と共に去りぬ」が上映予定ではないですか。

「風と共に去りぬ」はDVDで何度も繰り返して見た映画です。T・ジョイ蘇我で上映されたこともあり、大きなスクリーンで見ることも出来ました。それでも、もう一度みたい理由があります。それは、この映画に魅力があるのはなぜなのか、ということです。

主人公のスカーレット・オハラは勝気で我ままですし、それにレット・バトラーはちょい悪オヤジ。勧善懲悪ではありません。ヒューマニズムでもありません。それでも魅力があるのを不思議に思っていたのです。そんな疑問が解けないものかと考え、観に行くことにしました。

勝気で我がままなスカレット・オハラ

原作はマーガレット・ミッチェルで、南北戦争(1861年~)前後のジョージア州を舞台とした愛憎劇です。主人公は大きな農園を経営している裕福な家庭の娘。おおまかなストーリーは下のとおりです。あなたはスカレット・オハラをどう思います?

  • スカーレットは魅力ある女性として多くの男性を虜にしています。しかし、彼女が思いを寄せるアシュレーは従妹のメラニーと結婚してしまいます。
    すると、なんということか、スカーレットはメラニーへの当てつけのために
    メラニーの兄を求婚するように仕向けて結婚してしまいます。しかし、それは形だけ。心はずっとアシュレーを追い続けます。
  • 二度目の結婚は金目当てに妹の婚約者。農場「タラ」が買い取られそうになるとスカーレットはレット・バトラーに金を工面して貰おうとするが失敗します。事業に成功した妹の婚約者と結婚して農場「タラ」を守ります。
  • スカーレットはアシュレイがメラニーと結婚しているのに愛を告白する。もちろん、受け入れられません。スカーレットは何でも自分の思い通りになると思っているところがあります。

  • 金のために妹から奪って結婚していたフランクが死亡。スカーレットはレット・バトラーと結婚して娘ボニーを生む。しかし、スカーレットはアシュレーへの想いが断ち切れない。
    娘のボニーが落馬して死亡。メラニーも病死。レットはスカーレットとの結婚生活に疲れて去ってしまう。スカーレットはこのときレットが大切な人であることに気付く。
    「あ~ぁ、もう、どうして良いかわからないわ。寝てから明日考えましょ。明日は明日の風が吹くんだから」
    スカーレットはなんと天然で楽天的、なんと力強い人なんでしょうという話。

ドラマの作り方は悲劇ですね。最後にレット・バトラーが愛想をつかして出て行く原因は最初に準備されています。つまり、アシュレーの心はスカーレットになびく事はないのにいつまでも追っていては破滅しかないのです。

最初にこの映画を見たとき、スカーレットが生き生きしていてなんて素敵なんでしょうと思いました。しかし、考えてみると彼女の道徳観念というのがハチャメチャです。特別の美女だから観客は許してしまうのでしょうか? やっていることが子どもっぽくて可愛いから面白いのでしょうか? 不思議な映画だと思うようになりました。

「風と共に去りぬ」の魅力はどこにある?

スカーレットの道徳観念がハチャメチャでも、面白い映画には違いありません。それは何故なのでしょうか? それを探るために私がお気に入りのシーンを紹介して、そのシーンの何が好きなのか考えてみます。 

  • オープニングは若い二人の男が戦争の話をします。スカーレットが戦争の話を嫌うのでオークス屋敷の園遊会の話になり、誰と踊るかが話題になります。相手は選り取り見取り、モテモテなのです。そして、メラニーとアシュレーが結婚するということが知らされます。このオークス屋敷でスカーレットが男をとっかえひっかえ、やりたい放題に男どもを翻弄して引っかき回すさまは見事で、ウキウキ面白くでしょうがありません。
  • もうひとつは、最初に結婚した夫が死んだあとのスカーレットです。喪に服さなければならないのですが、黒い服は嫌だと駄々をこねます。

    パーティに行くと踊りたくてしょうがありません。音楽が流れると心はウキウキ。上半身は普通を装っていますが、足元はダンスのステップを踏んでしまいます。そして、レット・バトラーと踊ります。 

この映画は上映時間が4時間もあって、前半と後半に分かれています。後半になると話がだんだんシリアスになって、悲劇的結末に向かいます。

好きなのは前半です。スカーレットのやりたい放題は楽しくてしょうがありません。世間の常識やモラルをガチャンガチャンと壊してくれます。映画では、私たちが出来ないことを主人公が代りにやってくれます。それが小説や映画の面白さなのですよね。

スカーレットはどんな男でも自分に振り向くから、勝気でも我がままでも何でも通ってしまう。そうなったら楽しいですよね。「風と共に去りぬ」はそんなところに魅力がある映画ではないでしょうか。

ただし、自分に振り向くのは恋するアシュレー以外という条件があって、それがドラマが生まれるもとになっています。

風と共に去りぬ (1) (新潮文庫)

風と共に去りぬ (1) (新潮文庫)

  • 作者: マーガレット・ミッチェル,Margaret Mitchell,大久保康雄,竹内道之助
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1977/06/03
  • メディア: 文庫
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スカーレット・オハラを好きな人、嫌いな人

こんなスカーレットですから、物語は好きでも彼女は嫌いだという人がいます。

  • アマゾンの「風と共に去りぬ (1)(新潮文庫)」レビューには「彼女のこと、好きじゃないけど」とか「メラニーのようになれたら」という感想があります。
  • 嫌いだという意見の代表。YAHOO!映画のレビュー「ポニーがかわいそうでした」。こんなビッチは嫌だ。彼女のような女性とはお話したくないと言い切っています。奴隷の少女を怒鳴りつけ彼女の横面を張り倒すこと、奴隷制に何の疑問を持っていないこと。前半の終わりに「たとえ盗みを犯しても、人を殺してでも、私は飢えません」という誓いも批判の的になっています。
  • 逆に「スカーレット・オハラを全力で擁護する」というエントリー。 これは岩崎夏海さんが書いた『ライトノベルに携わる人々は今一度「風と共に去りぬ」を読むといい』 に対して、英文学の研究者、北村紗衣さんが書いた反論です。

    d.hatena.ne.jp

    岩崎さんは、スカーレットはあらゆる読者から眉をひそめられそうな性格をしているから、たいていの読者は最初はスカーレットを嫌う。しかし、そうした嫌悪感を乗り越えると魅力的になってくると言っています。
    それに対して、「スカーレット・オハラを全力で擁護する」を書いたsaebouさんは、スカーレットと自分を完全に最初から同一視して見ているからだと言います。あらゆる世間の規範に外れた振る舞いを全てやってくれる存在だから女性に好かれているのだと。

この映画の日本公開は1952年です。義母は兄と日比谷に見に行ったそうです。私も妻も1953年の生まれですから、義父と付き合うか結婚かしていたと思います。どうして兄と行ったんでしょうね。

義母の感想は、総天然色でドギモを抜かれた。それから、なんといっても、レット・バトラーが素敵だったと。レット・バトラーって、ちょい悪オヤジの雰囲気があるんですが、女性は危なそうな男性が好きなんですよね。

そして義母は「スカーレットは自分の出来ないことをやってくれるから、面白いのよ」と話します。

義母の言葉に納得しました。女性はスカーレットが好きな人が多くて、男性は嫌いな人が多そうです。私はスカーレットが大好きです。

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