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目次
- 学んで賢くなりたいという期待
- 履修して得るものが多かった科目10選
- (1)日本語表現の基本「日本語リテラシー」
- (2)レポート・論文を書くためのスキル「日本語アカデミックライティング」
- (3)私たちは思考も錯覚をしている「錯覚の科学」
- (4)私たちのこころは動物から進化してきた「比較認知科学」
- (5)ぶっつけ本番のレポートが素晴らしかった「認知行動療法」
- (6)篠原ともえさんの聞き役が素晴らしい「自然科学はじめの一歩」
- (7)人が生きていくにはマーケティングが必要だ「マーケティング論」
- (8)私たちのこころは社会の影響を受けている「社会心理学」
- (9)朝鮮はどのような経緯で植民地化されたのか「韓国朝鮮の歴史」
- (10)中東問題のスペシャリスト高橋和夫名誉教授「国際理解のために」
- 印刷教材を購入するときに注意すべきこと
- 最後に
学んで賢くなりたいという期待
2月29日(土)24時までに科目登録申請をすることになっています。
履修科目を決めるときはワクワクします。
なぜ、ワクワクするのか。
履修すればスキルが身について、前よりも賢くなるんじゃないかと期待します。
- 「初歩のアラビア語」
イスラム世界を少しでも理解できるのではないか。 - 「日本語リテラシー」
分かり易くて面白いブログが書けるようになれるかも。
私は4年前に入学して今までに35科目の放送授業を履修してきました。
前より賢くなったでしょうか?
期待以上の科目も、期待したほどでもない科目もありました。
私が履修して良かったと思った科目はどんな科目か。入学当時の私にアドバイスするつもりで書いてみます。
※「心理と教育コース」を選択していたことから、心理の分野が中心になります。
履修して得るものが多かった科目10選
(1)日本語表現の基本「日本語リテラシー」
自分の頭で考え、それを日本語で正しく表現して伝えたい。そんな願いをずっと持っていました。その願いに近づくのに役立つ科目でした。
滝浦先生のプレゼンが素晴らしい。
授業は人形「マー君」や「ことのはちゃん」と対話をしながら授業が進みます。テキストを棒読みするだけの授業よりも、労力もお金もかかっています。その効果もあって分かりやすい科目でした。
「は」と「が」の使い分けについてブログを書いたら、425のブックマークをいただき大ヒットしました。
シラバスはこちら→「日本語リテラシー('16)」
(2)レポート・論文を書くためのスキル「日本語アカデミックライティング」
このブログを書き始めたころはエッセイ風の書き方をしていました。
それが「はてな」で文章ライティングの本を知って、変化していきます。
- はてなブックマーク - writingに関するsiroccoのブックマーク
今まで 258の記事をブックマークしてきました。 -
クイズ文ってどんな文? 「非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門 」
飯間浩明さんは、文章を「日記文」と「クイズ文」に分けています。
『問題・結論・理由』という形式で書くのがクイズ文です。
レポートや論文、卒業研究などの学術的な文章はこの延長にあります。この本では、滝浦先生が「日本語リテラシー」から一歩進んでレポート、論文の書き方について解説しています。
- 書きたいタイトルを考える
- 問題意識と観点の整理
- 情報を調べる
私のブログの書き方はこの手順です。
シラバスはこちら→「日本語アカデミックライティング('17)」
(3)私たちは思考も錯覚をしている「錯覚の科学」
私たちが視覚の錯覚をするということは知っていました。
「錯視」で検索すると不思議な画像がいくらでも見つかります。
ところが、私たちが正しく考えているつもりでも、間違った思い込みをすることがあるのです。
「錯誤相関」、「確証バイアス」、「迷信的思考」、「ヒューリスティック」、「バーナム効果」、「平均以上効果」・・・。
自分の思考は錯覚をしているだけかもしれない。そう自問自答する必要があると考えるようになりました。
※この科目は2014年度に開設されましたが、2020年度から改定されるようです。基本的な内容は変わらないと思います。
新しいシラバスはこちら→「錯覚の科学('20)」
(↓このテキストは内容が改訂され、古いので注意)
(4)私たちのこころは動物から進化してきた「比較認知科学」
私はどこからモラルを学習したのか。
漫画やテレビからヒューマニズムを学んだと考えていました。私が子ども時代に見たのは、手塚治虫さんやちばてつやさんの漫画でした。テーマは勧善懲悪のヒューマニズム。それと、半分くらいはアメリカの番組を流していたテレビドラマで、それらも基本は勧善懲悪でした。
しかし、その漫画やテレビのヒューマニズムはどこから生まれたのでしょう。宗教でしょうか?
そう考えると玉ねぎをむくように謎は深まるばかりです。
アマゾンが、モラルの起源は動物にあるという本をレコメンドするようになりました。
それと関連するような本を「欲しいものリスト」に登録していったからでしょう。
その本を読みたいと考えていたのですが、この科目が謎を解決してくれました。
感激してブログでも紹介しています。
シラバスはこちら→「比較認知科学('17)」
(5)ぶっつけ本番のレポートが素晴らしかった「認知行動療法」
私たちは「認知」することから「感情」生まれ、「思考」して「行動」します。
「感情」、「思考」、「行動」はお互いに関連していて、悪循環に陥ったりします。
その悪循環を変えようというのが「認知行動療法」です。
認知行動療法は、カウンセリングを受けるというよりも、クライアントと一緒に考え、セラピストになってもらおうとします。
授業は再現ドラマが多くてわかりやすかった。
- 強迫性障害て学校から帰ると30分以上も手を洗わないと気が済まない小学生。学業の問題や家族の問題から、自分は汚染されていると考え、手を洗い続け、家族は混乱し、私がしっかりしなくてはと思い、悪循環します。
- 発達障害の女高生が「本がない」と騒いでカッターナイフを振り回すと言うショッキングな事件。そこから、自分の考え方や捉え方の「盲点や死角」を自覚化させ、先入観、経験のみによる判断を抑制しようとするもの。
麻里奈さんの突撃レポートもたのしかった。
ディレクターから、台本を見ないように、予習をしないように、注意されていたそうで、それであのレポートが出来るのですから素晴らしい。
認知行動療法の素晴らしさが実感できました。
一番驚いたのは、タレントの麻里奈さんが番組中に苦手なカエルを克服したこと。
麻里奈さんは 「動機づけ面接」のクライアントとして実際にカウンセリングを受ける体験レポートもしています。
Wikipediaを見ると、現在、麻里奈さんはタレントをされていないようです。もっと活躍するのを見たかったのですが残念です
「認知行動療法('20)」では印刷教材が新しくなり、放送授業も新しくなります。
前のほうがよかった・・・とはならないはず。
新しいシラバスはこちら→「認知行動療法('20)」
(↓このテキストは内容が古いので注意)
(6)篠原ともえさんの聞き役が素晴らしい「自然科学はじめの一歩」
この科目は得意分野だから履修しなくてもいいかと考えていました。
履修していなくても番組を見ることがあり、面白いから履修したい気もする。でも、お金を出さなくても楽しく見れるように番組が出来ているから、タダで見ればいいかとも思う。
履修するとお金がもったいないような・・・どうしよう。
で結局履修しました。
得意分野のはずなのにあなたの単位認定試験は「B」でしたよ。
なめていたのか、あなたの頭が悪いのか。
篠原ともえさんの受け答えが素晴らしいから、聞いているのが楽です。
テキスト棒読みとは違って、お金をかけた番組だと分かります。
科学研究とは何か。
「自然についての新しい知識を創り出し、それを人類が共有する営み」。
ツイッターにこんなメモがありました。
- ニンジンの色がなぜオレンジ色に見えるのか。
光、電子が波であり、粒でもあると言う話から、βカロチン電子の定在波の話になる。その一番外側の電子が光と出会うと光を吸収して、一段外側の定在波階層にアップする。
そこから吸収する光の波長が計算できる。
シラバスはこちら→「自然科学はじめの一歩('15)」
(7)人が生きていくにはマーケティングが必要だ「マーケティング論」
「学んで得るものが多かった科目10選」なので、この科目を紹介するのは反則です。この科目をまだ履修していないからです。
しかし、単位認定試験が終わると待ってましたとばかり学習を始めました。
「マーケティング」が重要だと考えが変わったからです。
マーケティングというと、企業が金儲けをするための手段。市場調査をしたり、CMを作ったりする。そんな程度の理解でした。
それがすっかり変わりました。
「7つの習慣」や「人を動かす」は金儲けをするためにセールスマンが読むものだと思っていました。
「中田敦彦のYouTube大学」の中田敦彦さんの解説を見て、私たちはどう生きるかという問題なのだと思うようになりました。
「中田敦彦のYouTube大学」を知って見続け、人気のあるYouTubeは見る人のニーズを最重要に考えていることを痛感しました。
Webマーケティングの話をしている動画も見ました。
ネットに繋いだ人は「キーワード」を入力して、読みたい記事を探します。
それなら、ブログを書く人は「キーワード」から、検索でたどり着いた読者の心理を分析し、その要求を満足して貰える記事を書かなければダメなのです。
自分のために書かないで、読む人のために書く。
ベストセラーの小説家も、アカデミー賞を受賞した監督も、顧客は何を望んでいるかを分析して、欲しがっているものは何かを考えいるはずです。
自分が価値ある人間として生きるには、世の中の人たちのニーズを分析してそれにこたえるように生きればいいのです。
マーケティングは重要です。
シラバスはこちら→「マーケティング論('17)」
(8)私たちのこころは社会の影響を受けている「社会心理学」
みんなが正しいと思っていることは自分もそうだと思う。戦時中は「鬼畜英米」と思っている人が多かったように、私たちのこころは社会の影響を受けています。
「社会心理学(’14)」はなくなってしまいました。
森津太子先生が新しく講義をされるのは「社会・集団・家族心理学(’20)」です。
第1回が「社会心理学とは何か」というテーマですから、スタイルは違っても「社会心理学」を学ぶのには変わりがないと思います。
「社会心理学(’14)」は著名な社会心理学の本を紹介するというスタイルでした。13の有名な社会心理学の本が紹介されました。
- 『服従の心理』
「アイヒマン・テスト」とも呼ばれる実験です。権威ある人の指示であれば自分の良心が麻痺してしまい残酷なことでもやってしまうと心理。 - 『冷淡な傍観者』
「キャー助けて!」と叫ぶ人がいても、人が多い状況だと誰かが助けるだろうと無視してしまいがち。それを実験しています。 - 『予言がはずれるとき』
「認知的不協和理論」と呼ばれるもの。自分が信じたものが価値がないと分かれば自分はダメが行動をしていたことになる。
その自我をまもるために予言がはずれた宗教への信心が深くなる。
見返りもなく他人に頼まれて教えたり、やってあげるのは、その人に好意があるからと自分が誤解し、好意を持つことがある。 - 『影響力の武器』
この本についてはブログを書いています。
「社会心理学」は他の科目に登場する項目が多く、得したような損したような気分でした。
- 『服従の心理』
「科学的探究の方法」実験の倫理性の問題
「心理学概論」 - 『冷淡な傍観者』
「心理学概論」で学びました。 - 『予言がはずれるとき』
「認知的不協和理論」と呼ばれるものは「錯覚の科学」にも登場します。 - 『影響力の武器』
「心理学概論」に登場しました。
新しいシラバスはこちら → 「社会・集団・家族心理学(’20)」
(↓このテキストは使用されません)
(9)朝鮮はどのような経緯で植民地化されたのか「韓国朝鮮の歴史」
最近は新型肺炎の話題でもちきりですが、韓国の徴用工・従軍慰安婦問題が炎上し続けていました。
そもそも朝鮮が日本の植民地となったのはどのような経緯だったのか、それが知りたくて履修しました。
履修し終えての感想は「日本のやったことはひどい」というものでした。
ただ、時代を遡れば、武力で土地を奪ったり、奴隷にしたり、そんなことは当たり前でした。
それが第二次世界大戦で最後になった。今でも、武力で土地を奪い合う時代なら、問題にならないのかもしれません。植民地政策が最後のものになり、言論が自由になった現在では、今後も長く問題をひきずっていくことになるのでしょう。
韓国の高校生の歴史教科書を翻訳したものを購入しました。
買ったけど積ん読。翻訳が「韓国朝鮮の歴史」の講師である吉田光男教授です。
小学生向けの本が参考になりました。
「韓国朝鮮の歴史」が難解で困っていたのだけれど、分かりやすい本を見つけた。小学生向けの本を翻訳したもの。私の頭のレベルにピッタリ! (@ 放送大学附属図書館 in 千葉市, 千葉県) https://t.co/tRnYeMO3on pic.twitter.com/L8avcllWJl
— sirocco@放送大学生 (@sirocco_jp) 2019年12月24日
中田敦彦さんのYouTbeも参考になりました。
「韓国朝鮮の歴史(’15)」の参考になる。
— sirocco@放送大学生 (@sirocco_jp) 2019年12月10日
【世界史】朝鮮半島「韓国&北朝鮮」の歴史〜反日感情の理由〜① https://t.co/gKU6cZTJo1
【世界史】独裁国家「北朝鮮」の歴史〜朝鮮半島シリーズ②〜https://t.co/2IMgSJ0pEG
ただ、通信指導問題や単位認定試験の過去問を解こうとするとつらいものがあります。
二周目になってもつらい。それでも国家の名前、都市の位置、人名など少しずつ分かってきますが、記憶すべきことが多いのです。
特に、中世や古代だとバックグラウンドになる資料がありませんから、記憶に残りにくいのです。
ひとつの法則を時間をかけて説明する物理や数学とは全く違います。
一度で完璧にしようとせず、少しずつ理解して記憶を増やすしかありません。
日本が朝鮮を植民地にした経緯ががっちり学べました。
シラバスはこちら → 「韓国朝鮮の歴史('15)」
(10)中東問題のスペシャリスト高橋和夫名誉教授「国際理解のために」
中東に問題が発生したとき、高橋和夫名誉教授がテレビで中東情勢を解説する姿を見たことがある人は多いでしょう。
ブログで国際政治の問題を解説されてもいます。
高橋先生はテキストの冒頭で「日本人は世界を知らない」と言っていました。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教。この関係を知っていますか?
なぜ、中東は問題が多いのか。
そのことが分かってきます。
私が履修したのは「国際理解のために(’13)」ですが、「国際理解のために(’19)」に改定されています。でも、シラバスを見る限り、大きな変化はないと思います。
シラバスはこちら → 「国際理解のために('19)」
印刷教材を購入するときに注意すべきこと
印刷教材を購入すれば、テレビで授業が始まらないうちから学習することができます。
学習センターで学生証を提示すれば割引を受けることができます。
しかし、事前に印刷教材を購入しないで、科目申請登録をして本部から送ってもらったほうがお得です。
放送大学の印刷教材は、2600円とか3800円とか、高価ですが、科目登録申請のとき「印刷教材なし」で申し込んでも、1000円しか安くならないからです。
時間を優先するか、お金を優先するか、その選択になります。
私は1科目だけ学習センターから購入しました。
あと、アマゾンで中古本を購入するときは、同じ科目名でも古い場合があります。
注意が必要です。
テキストの現物を見てから購入したい場合はこちらの書店が便利です。
最後に
2月13日(木)9時から科目登録申請が始まります。
4年前に私は入学し、「心理と教育コース」学ぶことに決めていましたが、何を学んだらよいものか、ぼんやりしたものでした。
履修して良かったと思った科目はどんな科目か。入学当時の私にアドバイスするつもりで書いてみました。
お役立てば幸いです。